一万キロの南

【詩】


帰り道に迷い

さまよい歩く見知らぬ通り

同じよに惑う人は

道しるべを失い

磁石を持たない旅人か

灯台のよな盛夏の光はいずこ

一万キロの南の果てに

希望があるやもと夢想して

どちらが南かと顔を振る

足もとでは磨り減らした踵が

うつつを踏みつけながら


tamito

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#詩

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