若葉の頃

【詩】

 

小さな盆地だったから

少し高い山に登ると

街を一望できた

こんなにも狭い世界で彼らは

さまざまな悩みを抱えながら

人生で最良の日々を過ごした

彼らが発していたひかりは

この五月の若葉にもひとしい

風に吹かれるたびにきらめいて

こころの弾みが体躯を突き抜ける

いま五月の風に吹かれて

僕らのこころはあんなにも

弾まないかもしれない、ただ

その美しさは知っている

若葉の頃のひかりの色と

若葉の頃の風の匂いと

若葉の頃の胸の高鳴りと

 

tamito

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#詩

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