擬態

【詩】


編んだ途端ほつれてゆく言葉に

切れはし当て繕う自分がいて

本当を語らぬ臆病さ押し込め

僕らは生きているふりをする


通りゆくヒトの形したモノに

吐き気するほどの違和感覚え

闘わずして受け入れもせず

僕らは見てみぬふりをする


最終電車の喧騒に惑い

悪意が言の葉に乗り漂い

もの言わぬ善意の頬殴っても

僕らは聞こえぬふりをする


生きるふりする僕らの内に

真実と偽りが双生児のよう

育まれそして奇声を発し

ヒトの形したモノが生まれる


tamito

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#詩

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