【詩】
素直な言葉を胸にとどめて語らぬ肩が
まるで孤独が好きなよう風をさえぎる
伏し目がちな視線に街の声が遠く響く
走るのは苦手でまもる歩調動かぬ景色
走ってみたいとも思うもう一人の自分
走ろうその一瞬の迷いに景色が遠のく
眩しく光を放つ誰かの後ろ姿に憧れて
鏡を見る自分と自身を馴染ませるよに
胸にとどまる言葉がひとつ小さな光に
生まれた光を反芻して歩く街見る景色
その明度その風その音小さな光が輝く
もう一人の自分が本当の言葉を語って
誰かがまっすぐ近づいて手をさしだす
さしだされた手をとるあなたのうちに
灯るあかり瞳に光そんな鮮やかな瞬間
tamito
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