ひとつ残らずあなたのことを

【詩】

 

昨夜はひとり止まり木で
あなたの孤独に会いました
思いの外に冷たくて
わたしの右手は役立たず

ごめんなさいと繰り返し
どうしてそんなに苛むの
正解なんて時のなか
うつろい揺らぎ消えるもの

叶わなかった夢のこと
縛られていた胸のうち
幼い〈わたし〉を閉じ込めて
壊れたオモチャ握りしめ

あなたの〈ホント〉に会いたくて
扉をひとつ開けました
届かないまでも手を伸ばし
扉をひとつ開けました

昨夜はひとり止まり木で
あなたの孤独に会いました
届かないまでも手を伸ばし
ひとつ残らずあなたのことを
ひとり残らずあなたのことを

 

tamito

#詩

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