月の呼吸

【詩】

 

ついこないだまで半袖着ていた気がしてきみが

振り返ると吸い込まれるよう過去に流され

いまぼくはどこに立っているのだろうかと

とても淋しい気持ちが引き潮のよう足下をさらう

 

あしたぼくが踏み出す一歩に見知らぬ誰かが

よろこんでくれるといいなと願いながら

引いたり寄せたりする波の狭間にあって

月の呼吸が時を歪めておどける様を見ている

 

tamito

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