懸命で精一杯の命

【詩】

高尚な教えを声高に語り

群衆を導く人のそれより

道端でつまずいて転んで

立ち上がり歩きだすそれ

きみのなかのくりかえし

進み続けるそれが真実を

ぼくらのうちに映しだす

希望という言葉の難解さ

明日という日の不確かさ

信頼という糸の頼りなさ

乾き膿み淀んだ世界から

のぞき見るまた別の空が

青々と清々しければいい

そう願いながら転がって

また立ち上がり歩きだす

きみのなかのくりかえし

ぼくらのうちに鮮やかに

生きる意味を語りかける

懸命で精一杯の命が在る

tamito

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#詩

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