誰もが青い空を望むわけではない

【詩】

空一面を覆う雲に安堵するのは

何も夏の盛りだけではない

冬の澄んだ大気をすり抜ける光の強さは

夕べのアルコールに浸された脳に痛む

あるいは圧倒的な温度差による

絶望的な失恋にも晴れ渡る空は心に痛む

誰もが青い空を望むわけではないと

身近な人を送る痛みに必死に耐えて

まだらに暗い空を見あげる


tamito

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#詩

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