5パーセントずつ

【詩】

少し度の弱い眼鏡にかえて見る街は

ヒトやモノの輪郭がぼやけて心持ち

世界がやさしくなったよな気がする


鮮明さや鋭さだけが価値ではなくて

曖昧でぼんやりまあるいことが時に

いちばん大事なんだと歩をゆるめる


がむしゃらに走っていては見えない

光の色風の囁き人の心の在りようが

輪郭のぼやけた眼鏡を通してうつる


72億4千万の住人たちがみな等しく

5パーセントずつ何かをゆるめれば

世界はもっとやさしくなれるだろう

tamito

作品一覧

#詩

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?