【詩】
真夜中の町をトラックが通りすぎて
彼方の記憶がいまと重なる
ラジオの向こうはいつかの時代で
へんてこな歌が流れてる
通りに光るハンバーガーの自販機に
コインを入れようか悩みながら
ぼくは同時にあの子のことを考える
そしてまた音と光が近づいては
くたびれた車輪が西へと向かう
気づくと自販機はなくなっていて
見知らぬドラッグストアの旗がゆれてる
なんだっけ?なんだっけ?と
頭のなかを探ってみても
わからないことがわからなくて
なんだっけ?なんだっけ?とぼくは
真夜中の町でひとりごちている
tamito
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