最後の桜

【詩】

最後の桜に間に合って歩く池の畔

ときおりの風に花が舞い降りては

その黒髪に、その肩に、その膝に

見あげる花越し空の先にあるもの

水面に揺れるひかりの道の先僕ら

同じ景色が見えていたのだろうか

決まって春に咲く花は人の営みを

いまの気持ちを超えてわずかな時

どうしようもなく心の底揺さぶる

二度と来ないその時を惜しみ綴る

最後の桜に間に合って歩く心の畔

tamito

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