止まり木

【詩】

しあわせになってほしいと
思う人たくさんいるだけど
しあわせにしたいと思う人
あなただけだよと止まり木

愛しい人に告げる彼の清廉
そんなきれいな言葉がある

気持ち切れたと瞬きもせず
絞りだされた震えるひと言
涙も流せない彼女の精一杯
握りしめたグラス止まり木

隣の席の不在にやさしい木
そんなかなしい言葉がある

誰もがみないったりきたり
荷物抱えて語る言の葉ただ
時計を忘れていまを生きる
けれど誰もいない止まり木

誰かの亡霊が片隅で嘘ぶく
ホントは言葉に意味なんて

ないと吐きだす寂寞それも

 

tamito

#詩

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