【詩】
不自由な言葉に閉じこめられて
表情も変えずに君は佇んでいる
最低限の会話さえ苦痛を伴って
傷んだ心またすり減らしてゆく
君の内なる世界は現実のそれを
飲み込むほどに広く果てないが
複雑な迷路を歩き続けるうちに
出口を失い倒れた屍を見つめる
君を失うことでこの世界は何を
何を失うかを君はまだ知らない
本当は言葉なんていらないこと
君はそして僕もまだ信じてない
不自由な言葉に閉じ込められて
表情も変えずに君は佇んでいる
僕もまた気づけば同期しともに
偽りの言葉を語る世界を眺める
tamito
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