この土曜日の憂鬱を

【詩】

 

明け方の鈍色の空が高気圧に押されて

いつの間にか盛夏のひかり放ち

そして夜

絹のような雨に包まれて街に在る土曜日

いまから向かう場所に味方はなく

月の裏側マイナス40度の世界で

あのハンカチに残された香料だけを頼りに

抱えた脅えやら喪失やらを押し込んで

残る120日を徒手空拳でゆく

まずは今宵の土曜日

この憂いの行き場を探してる

この土曜日を持て余す憂鬱の

行き場を探してる

絹のような雨のなかで

 

tamito

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#詩

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