真夜中のこちら側

【詩】

 

ああ、また明日への宿題をやっていない
と今日に追いたてられベッドに横たわる

世界はもうすぐ終わるかもしれないのに
日常にしがみついて僕ら今日を生き抜く

右側を流れる時間が気になってときおり
左側を向いてやり過ごす胸に手を当てて

知らない誰かの気持ち鏡の向こう溢れて
ぽん、ぽん、と音もなく弾ける倒映また

行き場なきやるせなさ拠り所なき寂しさ
見あげる星の数ほどに地上の窓に灯って

この凍える夜の縁に在る皆々の小さな光
慰めて慰めて真夜中のこちら側に息衝く

 

tamito

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