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汁なしクレープ

街を歩いていたら、最近できたらしいクレープ屋さんが営業していた。

頼み方がちょっと独特で、まずドアを開けて店内で注文をする。そのあとは店舗の外へ出て受け渡しの列に並ぶ…という感じ。

メニューも独特で、アイスコーヒーを頼んだら、紙コップと紙パックのハイブリッドみたいな容器で渡された。説明が難しいのだが、そんな感じとしか形容できない。
(なんだこれ…)と思いつつも、都会ではこういうのが当たり前だとしたら恥ずかしいなと思い、素知らぬ顔でコーヒーを受け取った。
ここに口をつけて飲めばいいのかな? というところに口を付けてカップを傾けたら、いい感じに口腔内にコーヒーが入ってきて飲みやすかった。

肝心のクレープも少し変わっていた。クリームも具材(具?)も使わないで、バターと砂糖だけで味付けをおこなうといったものが看板商品だった。
そのメニューを見た時、こう思った。

これでいいじゃん。

この感動は多分、初めて汁なしラーメン(いわゆる油そば)を知った時のそれとよく似ている。
ラーメンの汁って体に悪そうであんまり飲まないし、それならラーメンの本体である麺とだけサシで戦えるほうが気持ちがいい。

クレープも結局、クレープ生地が食べたくて食べてるようなところがある。生クリームが食べたいなら他のスイーツに行くし、果物が食べたいのなら、やっぱり他のスイーツに行く。
そんな私にとって、具のないクレープというのは願ってもないものだった。

食べた。

すごい美味しかった。

これこれ、って感じだった。具材が無い分原価も抑えられているのだろう。値段もお店の外装の割に安めだった。あとは汁なしのように、大盛り無料だったら、本当に言うことはなかったと思う。

食べ終わってから、包装紙の底に違和感を覚えた。

覗いてみた。


バター溜まり

汁なしラーメンを食べた後の、丼みたいだった。

おわり。

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