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8月15日「かわいそうなぞう」のことを考える

思い出すだけで涙が出てくるお話があります。お話といっても実話がベースになったもの。あんな話、作り話ならよかったのに。

「かわいそうなぞう」というお話。多くの方がご存じだと思います。童話です。

戦争中、動物園では猛獣が逃げ出してはいけないと殺処分されるなか、ゾウたちには毒餌を与えても食べず、注射もできず、餓死させるしかない、となったが、ゾウたちは餌をもらいたくて芸をするが、結局、餓死してしまう。

物語なので創作も加わっているそうですが、ベースは実話。戦時猛獣処分という命令が出されていたそうです。日本だけでなく、戦争中の世界のあちこちで。

「かわいそうなぞう」のお話を初めて知ったときは、普通程度の動物好きだったのですが、それでも本当に悲しい話だと涙が出ました。

その後、動物のことを考える人になってからは、ただ悲しいというだけでなく、悔しくて。飼育担当者がどんな気持ちで衰弱していくゾウたちを見ていたのか。本当に悔しい。戦時下で飼育を続けるという選択肢を選ぶことはできなかったのだろうということは理解できるけれど。

大切に愛情をかけてきた動物たちを自分たちで死なせなくてはならない。想像できうる限りの「そのときの飼育担当者の気持ち」よりも実際には何百倍だって苦しかったのだろうと思う。

「かわいそうなぞう」は上野動物園でのお話ですが、戦時猛獣処分は全国で行われていました。戦争中には軍用動物もいたし、戦意高揚にも使われてたりと都合のいいように使っていた。今の価値観で当時のことを批判するが正しいかどうかはわからないけれど、勝手だな、人間って。

『戦時猛獣処分』の真相に迫る~戦争にまつわる70年前の動物園の悲話と実像~

今、日本は(戦争がないという意味では)平和ですけど、なんというか、アブナイ国々も周囲にあって、巻き込まれないとは限らない。そのとき、動物園の動物たちは守られるのだろうか。かわいそうなぞうたちの物語を知っている、今を生きる私たちは、動物園の動物たちを守ることができるんだろうか。

8月15日に、そんなことを改めて考えたりします。

ではまた。

トップ画像は写真ACより。

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