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小料理屋の女将とワケアリ板さん

なりたいもの、っておそらく誰しもある(あった)んじゃないかと思います。子どもの頃になりたかったものが、大人になるにつれなれるわけないじゃんと諦めるなんてこともよくありそうだし、まっすぐがんばってそれになった人も多いだろうし、大人になって急になりたいものができてがんばってそれになることができた、という方たちもいるでしょうね。

そういう、なんというかちゃんとした「なりたいもの」ではなくて、別に本当になりたいわけではなかったり、なれるわけではないし、なろうという努力をするつもりもないのだけど、なーんとなく「あこがれちゃう」「妄想しちゃう」ような「なりたいもの」ってあったりしませんか。私、あるんですよ。

小料理屋の女将。

カウンターだけ、みたいなこじんまりした小料理屋。
女将のほかには板さんがひとり。
板さんの作る料理がどれもおいしいんだな。

この妄想モードの小料理屋においては、この板さんがキモなんです。
寡黙なの。
そしてワケアリなの。
過去の経歴に、数年間、どこで何をしていたのかわからない時期があるんだな。
イメージとしては、成田三樹夫さんね。(ベタだな!)

女将と板さんふたりきりなので、くっつきそうなところですが、そうはならない。
女将にも板さんにも、心に秘めた大切な人がいるの。
お互いに信頼と尊敬の気持ちが持ち合ってるんだけどね。
その絶妙な距離感が心地いいんですよ。互いに入り込みすぎない。

そして今宵も小料理屋はひっそりとのれんを出すのでした。
あ、食べログとかには載せてない感じの小料理屋なので、詳しい情報は口コミを頼りに探してみてください。狭いお店なのでいっぱいだったら許してね。

ではまた。

トップ画像は写真ACより

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