子どもたちに、「大人になったらいじめなんてなくなるからね」と言いたい
幡野広志さんの著書『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』を読んだ。
34歳で多発性骨髄腫というガンになり、余命3年と診断を受けた写真家の幡野さん(35歳)が、2歳の息子に向けて自らの経験や学びを伝える本だ。
いちばんはじめの節の、「優しい子に育てるには、優しい親でいなくちゃいけない。」ということばが、最も腑に落ちた。これは私がずっと感じてきたことに近いことだったから。
他人に対して、理不尽に、あるいは自分の怒りをただぶつけるような怒りかたをする人が、だれかの「親」だと分かるたびに、私は哀しい気持ちになった。
その怒りかたを、日常のなかで子どもが見ていると思うと、哀しくなった。
そんな感情を反芻しながら、中学生くらいのときの私は、「大人になったらいじめなんてしなくなる」と淡い期待を抱いていたことを思い出した。
ある日、ファミレスでママ友グループらしき人たちが、他人のネガティブなうわさ話をしているのをみて、がっかりしたのを微かに覚えている。
「大人になってもこんなものか」「かっこわるい」
そう思った。こんな大人になりたくない、と。
いま、大人になりかけの私は、子どもたちに、「大人になったらいじめなんてなくなるからね」と言いたい。
子どものいじめ・自殺問題をどうにかしたいと言うならば、せめて「大人になったらそんなものなくなる」と言える社会をつくらないと。
花を買って生活に彩りを…