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映画感想

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わたしのみた映画たち
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#愛

「愛がなんだ」:愛ってなんだ

純粋に人を愛する女の子の片思い物語ということで、私は主人公に共感するつもりでこの映画をみにいった。 だけど、それほど共感できなかった。 共感できなかった理由は、一見、主人公のテルちゃんがあまりにも自分のことを大事にしていないように思えたからだろう。 私は自分が好きになった人のことはすごく好きだし、とても大事な存在だと思うけど、同時に、自分も大切にしたいと思っている。自分も相手も幸せであることが大事だ。 だから、大事にされていないことが分かっていても、マモちゃんの望みに

「君が君で君だ」:誰にとっての愛なのか?

何がなんだか分からない――。 極端な(?)愛のあり方を描いた映画でした。 映画の主人公である三人の男たちは、カラオケ店で働いていた韓国人の女の子「ヨンソン」に熱狂し、十年間ソンの一挙一動すべてを見守りつづけます。 いわゆる“ストーカー行為”。いや、ただならぬ熱狂愛?(※映画パンフレットのインタビューで、ソンを演じたキム・コッピが話していましたが、これは決してストーカーを肯定する映画ではないそうです) しかし、彼らはソンを守る「兵士」を名乗り、ソンを見守る国をつくって

「メゾン・ド・ヒミコ」:欲望がほしいんだよ。

「欲望がほしいんだよ」 オダギリジョー演じる春彦は、恋人であるヒミコが死に近づいていく中で、生きるための欲望がほしい、と言います。 「刺激がほしい」という言葉はよく聞きますが、それはつまり「欲望がほしい」ということなのかもと思いました。「欲望がほしい」という言葉の方が的を得ているのではないか、と。 とくに、生きる気力がないようなときにこそ、自分の内から湧き上がるような欲望こそが生きていくための糧になるのだと、この春彦の台詞を通して再認識しました。 だけど、内から湧き上

「アバウト・タイム」:いま、この時間をもう一度体験するとしたらどう過ごしますか?

今日の映画は、リチャード・カーティス監督の「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」。 ありがちな感じですが、それでも幸せな気持ちになれる作品です。 何気ない一日を、もう一度体験してみると幸せに気づく、というシーンが好きです。お父さんのオチャメで真面目で、人格者であるところも。 ティムの家族はとっても素敵。メアリーを受け入れるティムのお父さんとお母さんのウィットに富む言葉も。妹を心配して過去に戻ってみたけれど、うまく行かなくて、辛抱強く妹と向き合うティムとメアリーも

「幸福の黄色いハンカチ」:旅路

「秋刀魚の味」に次いで、レトロものに挑戦。 ということで、名作らしい「幸福の黄色いハンカチ」を選びました。 第1回日本アカデミー賞作品賞、キネマ旬報ベストワンなど、1977年度の映画賞を独占した山田洋次監督の代表作のひとつ。 とのこと。若き頃の、武田鉄矢、高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、渥美清らの演技をみれるのが新鮮でした。 ストーリーに意外性みたいなのはなく、シンプルなものですが、武田鉄矢が笑える役を演じているので、面白いです。 私の関心事の観点から印象に残ったこと

「ニュー・シネマ・パラダイス」:愛すべき友情

一昨日の夜中に「ニュー・シネマ・パラダイス」をみました。 トトとアルフレードの素敵すぎる関係を描いた映画(だと思う)。 トトとアルフレードの関係は、言葉に言い表せないほどに美しい。 詳細は、解説読んでやっと理解しました。笑 トトが可愛すぎます。みてください。 かわいい…… もうひとつ、好きな景色はここです。トトが生まれ故郷を去るシーンです。