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VRChatはリアルでも人をつなぐ。

6月5日からの約2週間、VRChat絡みの仕事でドイツに出張に行っていて、いま帰国しました。

大学の頃、カナダのバンクーバーに1年間留学していた経験はあるのですが、ヨーロッパは初めてでした。しかもVRChat絡みの仕事で行けることになるなんて。今回の出張は、これから積極的に海外の仕事をしていきたい自分にとってはとてもよい経験となりました。

このnoteでは、今回のドイツ渡航を通じて感じたことなどを書き連ねたいと思います。


昨年、TAIWAN EXCELLENCE WORLDをVRChatに作り、クライアントにとても気に入ってもらえたことがきっかけで、台湾の政府系団体の皆さんに行脚して体験してもらうということがありました(昨年は台湾で7,8回くらい体験会やったかも)。それで皆さんの理解もあってか、「今年も」ということで今回TAIWAN EXPO in EUROPEに合わせてドイツに来ることができました。

ドイツで体験会をするにあたり、コクリコさんに日本語とドイツ語が話せるViviさんを紹介してもらいました。ViviさんからはOxiさんとKyneosさんを繋いでもらい、ドイツ在住のVRChatterとリアルで一緒に仕事をすることができました。みんな「VRChatに関わる仕事をやってみたいと思っていた」と言っていたのが印象的でした。日本でもクリエイターさんにお声がけすると、よく聞く言葉です。3人は全員ベルリン在住というわけではなく、別のドイツの都市から数時間かけて、今回のイベントに協力しに来てくれました。

TAIWAN EXPO in Europeのイベントではたくさんの人たちにワールドを楽しんでもらえました。中には100万人のフォロワーがいるようなドイツのインフルエンサーさんもいました。VRの楽しい体験を伝えるのに言語はそこまで必要なくて、簡単な英語で通じ合うことができました。「このコンテンツを作ったのはだれ?」と質問され、名刺交換などもしました。

体験会の合間に、Viviさんとはお互い「これからやってみたいこと」を話しました。僕はよりエンタメ性の高い体験をVRで作ってみたいと思っていたし、ViviさんもVRChatでの活動の場が増えればいいなということで共感できることも多く、いっしょにクライアントに「来年はライブをやりましょうよ!」と伝えました。新しいチャレンジには興味を持ってもらえました。

今回のエキスポには、TAMからはしゃかいか!チームと台湾チーム、そして僕が参加しました。中国語、日本語、英語、ドイツ語の混じる現場でしたが、言語の壁は不思議と感じませんでした。みんなうっすら英語ができたし、いっしょに仕事をするという共通の目的があったので、「仲間」という感じが強かったです(隣でゲームのブースを出す人たちとも「VRのコンテンツ面白いね!」って仲良くなることができた)。

ドイツメンバーとTAMメンバーで行ったご飯も楽しかったし、男たちでタバコを吸う時間は青春を思い出しました。「ベルリンにいる」という高揚感もあったのかもしれません。

一般参加の方
隣のブースの人
インフルエンサーさん数人にも体験してもらった
TAMメンバーでの打ち上げ
TAIWAN EXPO in EUROPE会場

フランクフルトでは、WieMaiKaiというイベントに登壇しました。これは日本にいるときにネットで調べて知り合ったKatahoさんがコーディネートしてくれたものです。「VRChatをやってるんだけど」という話をしたら「ちょうどイベントあるので、そのネタで登壇してみませんか」とたまたま運よく登壇機会をいただくことができました。

ドイツ語のパンフに名前が載った 嬉しい

イベント当日の朝、Katahoさんが朝ホテルに車で迎えに来てくれました。ドライバーはモーリッツさん。彼は日本語が少し話せました。日本のアニメや漫画が好きで日本語を勉強したということです。3人でいっしょに車で会場に向かいました。

イベントには在フランクフルト日本国総領事館の主席領事も参加されていて、話をさせてもらいました。あまり書けないのですが、総領事の興味関心によって何かが盛り上がったり、人がつながったりしていくのが決まるんだなと思える話が聞けて、これも面白かったです。初めてお会いした主席領事さんは僕のセッションを聞きに来てくれました。日本人という点でつながったのかもしれません。

僕のセッションには最大で20人くらいの人が参加してくれました。参加理由を聞くと「ファッション全般に興味がある」「コスプレに興味がある」以上に「VRに興味があるから」がずっと多かったです。

VRChatを知っている人も多かったし、VRChatterも5人くらいいました。積極的に質問をして知ろうとしてくれる人もいました(例えば、「VRChatのワールドってどれぐらい広い物が作れるの?」とか「広いところにいる時、どうやって友達に会いにいけるの?」とか)。 体験にも来てくれたその人は、たまたま僕と同じゲーミングノートPCのRazerBlade14を持っていて、「面白いね、Meta Quest買うよ」って言ってくれました。

積極的に質問や体験をしてくれた

また、参加してくれたVRChatterに「僕のセッション、どうだった?」と聞くと「よかったよ。強いて悪いところをいうとしたら、隣の部屋のライブの音で声が聞きにくかったことかな」と言ってくれました。セッションの後、彼らはなぜか僕に話しかけたり見たりするわけでもなく、ずっと僕のVRChat体験会のそばにいました。こちらから気になって話しかけると「さっきのセッション、あの後思ったんだけど2つ伝えたいことがあると思った。1つはゲームワールドの紹介があるべきだった。あと1つは、言葉の壁の存在。無言勢もいるのでコミュニケーションの取り方は考慮しないといけない」という意見をくれました。これは日本人の自分からしても至極当然でした。みんなVRChatが好きでこの世界の魅力を伝えたいと思っているんだなと感じました。これは日本でもよく感じることです。

彼らに「何を見にWieMaiKaiに来たの?」と聞くと「他のVRChatterがどんな活動をしてるのか気になってね」ということでした。つまり僕のセッションを聞きに来てくれたみたい。少し不器用でシャイな人のようでした。

隣に座っていたVTuberさんにも「もしよければ体験してみませんか?」と聞いたら、「自分はVRChat内で撮影とかしてるから大丈夫だよ」と。VRChatterでした。「友だちはVRChatやってる人多い?」と聞くと「VTuberの友だちはVRChatやったことはないけど知っているって人は多いよ」とのこと。Twitterで相互フォローの関係になりました。

お隣さんと

イベントのコーディネーターのKatahoさんとは、イベント開催中ずっと一緒に時間を過ごしました。食事中や散歩の間、日本のアニメや漫画のクリエイターが活躍できる場をもっと増やせたらいいなという話をされていました。単純にアニメや漫画の配給を現地でやるだけでなく、いままでそこに関わりのなかった自治体やものづくりの人たちと、日本のコンテンツクリエイターを掛け合わせた「アニものづくり」を応援したいと。日本のアニメや漫画を入り口に、日本のいろんなものを好きになる人が多いから、アニメや漫画のイベントって可能性があるんだと熱弁されていました。自分も日本の誇れるコンテンツを世界に届けられればと思っているので、近いところで共感できるものがありました。

ずっとその気持ちを持ち続けていれば、どこかで繋がれそうな気がします。

海外での仕事にはずっと興味があったけど、言語の問題とか契約や文化の違いとか色んな問題があると聞いていてびびっていました。が、実際来てみて、VRChatというベースの共通点があることで一気に距離が縮まり、たくさんの人とスムーズにコミュニケーションができました。

VRChatはVRの中だけでなく、リアルでも人をつなぐんだと思ったドイツ出張でした。次はどこで、どんな展開が待ってるのかなと思うとワクワクします。これからも自分をアップデートしていきたいと思います。


VRが楽しいのは世界共通
WieMaiKaiのオーガナイザーと在フランクフルト日本国総領事館の主席領事、Katahoさんと。