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レビューとしては使えない私の読書録 その5(『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』森永卓郎著・フォレスト出版)

<本の基本情報>
ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト
森永卓郎
2023 フォレスト出版(三五館シンシャ)

<私の評価>
☆お気に入り度(1-5)    4 
☆おすすめ度(1-5)     5

☆とくに誰に読んでもらいたい?
 日本の有権者全員 

☆本の印象
 読みやすい本です。
 ジャンルとしては経済本ということになるかと思いますが、今の日本経済が実際には誰に牛耳られているのかという暴露本ということになるのでしょう。もちろんここに書いてあることが真実ならという条件を付けなければなりませんけれど、平成、令和と日本と私たちの暮らしをかきまわしてくれた様々な不条理と照らし合わせれば、状況証拠的に真実なのではないでしょうか。

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<今回のテーマ>
 私たちが「首」をいくらすげかえたって、国民の審判を仰ぐことなどない輩どもがそのつど洗脳しちゃうんじゃ、どれだけ選挙やっても意味ないよね。

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 実にわかりやすい本なんでぜひ手に取って読んでみてください。森永卓郎さんはテレビやラジオですでにかなり有名ですし、有名であるということは「わかりやすい」ということの証明でもあると思っています。
 私が森永氏を評価してる最大の点が「息子さんをまともに育てあげている」という現実でして、どれほどえらそうなことを言っていてもその方の息子娘がどう育っているかで答え合わせできます。息子さんの森永康平さんもテレビやラジオによく出演されているのですがとてもバランスのよい穏健さで常識的な経済評論をなさっています。
 息子さんがまともなのでそのお父上も当然まともであろうという、ただそれだけで手に取った本だったりするんですが、いやいやけっこう当たってるものですよ。

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 財務省はカルトである。

 一部のインターネット上ではある時期から突如さかんになった言説。つまりこのこと自体は別段真新しいことではなく、インターネット上だけで言われつづけてきたことを森永氏が本にして表の世界にもばらまいてくれた、ということだと見ています。

 だってね、これほどつじつまが合わないことをいつまでも言い続けているということは、もうこれ中身はカルト宗教と同じであると。
 データも不要、話し合いも不要、私たち国民の嘆き苦しみという生の声も当然不要。財務省の一部の人たちの頭の中にある正しさを現実にしていくことが使命って。

 財務省の言っていることが正しいのか、森永氏をはじめとする数々の経済評論家たち、政治家たちの言っていることが正しいのか、それはみなさまでご判断くださいませ。
 とはいえ財務省の正しさに従った結果が今のこれですよという現実までは無視しないほうがいいんじゃないかな、と思います。

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 でもね、この本が指摘している最大の問題点はそこじゃないですよ。

 ここに書かれていることが真実だとするならば、ですが、財務省がこれまでやってきたこと、そして今現在もやり続けていることは、我々の民主主義を愚弄する行いだということです。
 私たちはまずそこに怒りの矛先を向けなければならないのです。

 だって毎回毎回膨大なお金をかけて、選挙して、よりよい日本になってくれと一票を投じるという行為が、はっきりいってまったくの茶番、「何の意味もない」ということになるんですよ、この本に書かれてることが本当ならば。

 そのことがどうしても言いたくて、頭の中ぜんぜんまとまってないけど今これ書いてるんです。

 あの時、日本人の多くは自民党政権のやり方が間違っていると、民主党に一票を投じ、政権交代を成し遂げたのです。
 一人一人の日本国民の力が、一切の暴力を使うことなく(素晴らしい!)合憲合法的な方法で政権にNoをつきつけた。日本国民は決して無力じゃないんです。ルール内で私たちはここまでできるんです。

 だけどそうやって新たに担ぎ出された民主党政権がさらなる増税を打ち立ててしまいました。消費税増税。なお当時の民主党を引き継ぐ立憲民主党も消費税減税については口にしていません。
 おかしいですね。あの時民主党に一票を投じた人たちはこれ以上の増税はいやだ減税してくれ暮らしを楽にしてくれと一票を投じたはずですよね。どうしてたった数年でこうなるんですかね。

 その背後にあったのが財務官僚による「ご進講」あるいは「ご説明」という名の洗脳活動だったのではないかと森永氏は指摘しています。

 だとしたら。私らがいくら選挙で「首」をすげかえても、その都度その頭の中を洗脳して塗り替えてしまうのなら。

 政治家はただの人形だというなら。選挙で選ばれることも審判されることもない人形遣いたちが私たちの選んだ人形で好き放題してるのが現実だというなら、そんなもん表だけいくらとっかえひっかえしたって何も変わるわけないじゃないですか。

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 なんに対しても怒るくせを習慣にするのはあまりよくないこと。
 でも私たちはまがりなりにも有権者。これに怒らずしていったい何に怒るというのでしょう。
 これは私たち日本国民一人一人に対する裏切りであり侮辱です。
 私たちは正しい矛先に正しく怒りを向けるべきです。

 マスコミや一部の活動家にあおられ、どうでもいい人たちだけを相手にとんちんかんな怒りを振りまいて暴れまくる国民の姿を上から眺め、よしよしこれでまだまだ我々安泰だなと笑っている輩がいるということです。


武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。