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RAKUGOBIYORI(らくご日和)

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噺家・玉屋柳勢( タマヤ・リュウセイ )のブログ。寄席のこと、自主公演のことに加え、歌舞伎のことや趣味のことまで。
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#落語家

トリのご案内

この度、 2月下席、池袋演芸場昼席でトリを勤めさせて頂くことになりました。 アタクシにとってはこれ以上ないくらい有難い顔付け。 お知らせ出来て本当に嬉しいです。 昨年の暮れに協会から連絡があり、トリが決まったことを師匠・市馬に報告しました。 「良かったなぁ。見てくれる人は、ちゃんと見てくれてるんだな。(2月下席は)元々休みの予定だったけど・・・出るからな!」 と喜んでもらえたようで。 地味ながらもコツコツやっていることを師匠はわかってくれていたんだなぁ、と嬉しく胸がい

十一月の歌舞伎座から。富十郎さん、三津五郎さんの息子たち。

あれは2004年の歌舞伎座・海老蔵襲名披露興行でのことでした。 途中、團十郎さんが病で倒れて、急遽代演で『勧進帳』の弁慶を勤めたのが三津五郎さん。 何しろ歌舞伎十八番の宗家である市川團十郎の代わりを勤めるんですから、大変なプレッシャーもあったでしょうに、その弁慶の素晴らしいことと言ったら。 アタシは大感激でした。 その後、休憩を挟んで『魚屋宗五郎』。 このタイトルロールの宗五郎を勤めるのは、またも三津五郎さん。 始めは抑えていた、殺された妹への思いが、酒の酔いに任せて

九月大歌舞伎『盛綱陣屋』の座組は…。吉右衛門さんから幸四郎さんへ。

先日、九月大歌舞伎の二部を観劇して参りました。 アタシが歌舞伎を見始めたのは20年前。 当時、若手の花形と言われていたのが、今の幸四郎さん、松緑さん、海老蔵さん、菊之助さん、猿之助さん、勘九郎さん、七之助さん達でした。 その面々が、今では中堅世代として座頭を勤めることが多くなりました。 が、しかし…。 同世代のお客様を掴もう。その為にはウケの良い新作や、分かりやすい、もしくは派手な演目を!という流れのためか、義太夫狂言が取り上げられることが余りに少なかった様に思いま

『世阿弥 最後の花』藤沢周~能を「観る」だけでなく「読む」楽しさ

春からお能の謡を習っています。 能というと「見たことはあるけど寝ちゃった」という方も多いでしょう。アタシも何度か見ましたが、いつも寝てばかり。 「能は自分でお稽古をしている人が見たら面白いんだろうけど・・・」 そう思っていたアタシですが、いざ自分が習ってみたところ ・・・ 面白いんですよこれが! 今は毎月能を見て、色んな能楽関連の本を読んで楽しんでいます。 そんな流れで『世阿弥 最後の花』を読みました。 三代将軍・足利義満公に可愛がられ、世に出た世阿弥ですが、

九月大歌舞伎『東海道四谷怪談』を観劇。心に誓った…。

幕が開くと、第二幕・伊右衛門の浪宅の場面。 仁左衛門さんの民谷伊右衛門は38年ぶりとのことで、当然アタシは初めて。 『桜姫東文章』に続いて仁左・玉コンビで『東海道四谷怪談』ということで、頑張ってチケットを取って歌舞伎座へ行って参りました。 伊右衛門役の仁左衛門さんが、傘張りをしているにも関わらずカッコいい。(傘張りは浪人でお馴染み) アタシも家に帰ったら傘張り始めようかと思ったほど。(注) お梅が惚れてしまい「召使いでもかまいませんから、どうぞお側においてくださいま

目標の確認。真打になってみて。所属することの…。

2年前の2019年秋。まだ二つ目の「柳亭市楽」でしたが、こんな目標を立てていました。 現在も変わらず、落語の楽しさを伝えられる寄席芸人を目指しています。 ------------------------------------------------------------------------ 今後について。 こんにちは。市楽です。 先日の披露目の支度にて、真打昇進と同時に襲名する芸名を発表させて頂きました。 来春(2020年)3月下席より真打に昇進。 六代目

一本立ちの意味。~真打になるということ。披露目は通過点。

2018は自分で仕事を作る。 2019は真打昇進披露興行に向けて、予行練習の意味での少し大きな落語会を開催する。 そして2020の真打昇進披露興行は、現状を把握するための機会ととらえ、アタシの名前でお客様がどれくらいいらして下さるかを確認する。 こんな目標を立てて進んで参りました。 特に披露興行では、師匠のお客様や師匠の事務所(アタシは所属しておりません。自営業です。)に頼ったり、無理な営業をかけたり、興行でたまにみかける、無料でチケットを配ったり…そんな事を一切せず