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高次脳機能障害「私」のマイクロツーリズム~自己開示の第一歩

このコーナーは重度高次脳機能障害当事者(重い知的障害、ADL全般の障害、特に失語症で思うように意思表示できない)の家内(=「私」)の気持ちを、夫である私(=たまさん)が推測し、家内の視点に立ち家内の言葉で書いたものです。
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藤本先生、ありがとうございました。

先日、一般社団法人日本介護美容セラピスト協会の認定セラピスト藤本優子先生に、「ビューティータッチセラピー」というケアをしていただいた。
スキンケアやメイクアップなどを通して肌に触れることで健康寿命延伸につなげる「心と体の美容療法®」とのことだそうだ。
(詳細は、一般社団法人日本介護美容セラピスト協会のHPをご確認下さい)
                  https://beauty-touch-therapist.jp/

今回の取り組みは、11月末に開催される地域イベントのリハーサルを兼ねてのこと。
詳細? ・・・・・・ムフフフっ、まだ秘密なのだ。近くなったらご案内します。
口の軽いたまさん(「私」のだんな)に対して、イベント開催団体から「勝手に先走らないように!」とクギを刺されているそうだ。
もっともこの人なら注意されるのも無理もないが。

それにしても久々のスキンケア。
そもそもお化粧はあまりする方ではなかったが、受傷後10年以上、「私」のお肌は放置状態・無法状態だった。
とってもお肌は喜んでいた。
それだけではない。ケア中の先生との会話を通じて、「私」の中の何かが動いた。こころに微妙な変化が生れた?ような気がする。

「私」は先生にどんどん言葉を投げかけた。
「看護婦をしていた」
「だから、(受傷前も)お化粧はあまりしなかった」
「刺繍(クロスステッチ)が趣味」
などなど。
ケアを通じて、「私」自身を先生にもっと知っていただき、もっと深くコミュニケーションをとりたい! と思ったのだろうか。

たまさんも驚いていた。
「初対面の人に、こんなに積極的に話しかけるとは」
「普段はぶすっとしてしているのに」
先生に普段との違いを伝えていた。

最後の「ぶすっと」は余計だが、ちょっと自分自身がバージョンアップしたような気もしてきた。

もっと「私」のことを理解して!
もっと「私」の話を聞いて!
発動性の著しく低い「私」にとっての「自己開示」の第一歩なのかも。
そんな気がした一日だった。
藤本先生、どうもありがとうございました。
またこれからもよろしくね。

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