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新幹線文明

「お世話になっていた近所の方が亡くなった」

という連絡が東京の家族から入ってきた。
小学生の頃から毎日の登下校を暖かく見守って声かけてくれた方だった。

なにより、
自分の母親が急に亡くなったときに
いの一番に枕花を届けてくださった方だった。

急いで新大阪の駅に向かう。
3分間隔で走る東海道新幹線のおかげで
スムーズに新幹線に乗り込むことができた。

飛ぶように過ぎ去って行く景色を眺めながら
新幹線ってすごい、と思いを馳せる。

けれども僕が思い馳せたのはそのスピードではなく、時速285kmで走る列車を3分、時には2分間隔で走らせてみせる技術、列車の到着をホームで当たり前のように整列して待つ訓練された人びとまで込みの一連のシステムに対してである。

これはもはや文明だな、新幹線文明…。

その文明のおかげであっという間に列車は東京に着き、大切な方とご家族に枕花をお届けすることができた。

新幹線とJR東海に感謝、合掌。


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