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超訳:伏見稲荷縁起

伏見稲荷創建にまつわる説話として、秦 伊侶具(はた の いろぐ)の『山城国風土記』が有名だと思います。稲作で財を成した秦氏は餅を的にして矢を射ます。矢を射られた餅は鳥に姿を変え、山奥へ飛翔してそこで子供を産んだ。すなわち、稲が奈り生えたことから伊奈利(いなり)の社号がついたそうです。

ここで「餅の的を矢で射る」について考察していきたいと思います。


中学時代は的貼り職人

私は中学生のころ弓道部に所属していました。中学は強制的に部活に入らなくてはなりませんでした。文化部と運動部があるのですが、文化部は音楽部と手芸部(クラフトづくり)、あとは歴史部?みたいな感じで、音楽も手芸も歴史も興味がなくて、親からは運動部に入るように言われていたので仕方なく弓道部を選びました。
理由は単純に運動部にしては練習が楽だったから。そんな理由はどうでもいいと思いますが、1年生のころは矢を射るための的づくり→「的貼り」をよくやりました。
私は弓の練習よりも的貼るの方が好きで、的をいかに美しく張りのある状態に仕上げるか?部活の間中ずっと職人のようにこだわっていました。的を張るときはでんぷん糊を使います、糊を水で溶いて的紙に貼りつけるのですが、糊を付ける分量が多くても少なくても良くないです。糊の水分が飛んで的紙がパンと貼った状態になるのがMY理想でした。
そんな感じでこだわるふりをして練習をさぼっていました。
的をきれいに貼ると矢が的を射抜いた時の音がいいんです。パンとかパシンみたいに張りつめた音が響きます。いい音がすると「やった~」って爽快感がわきます。
逆にぼよんぼよんのダルダルにたるんだ的の場合、矢が的を射抜いてもプスン・・みたいなシケた音なので、的を射た爽快感が全く湧いてきません。
やる気のない私はさらにだるくなって練習する気力が激減します。


星的と濱矢・濱弓

弓道の的は二種類あって一般的なのは白と黒が3重になっている「霞的」と占星術の太陽マーク「☉」みたいな「星的」があります。

私が中学時代に制作していたのは主に「霞的」です。弓道場には「霞的」が6個くらい並んでいました。弓道場(射位)から的までを28mあるのが一般的な近的です。
28mもあると乱視の私は的が二重に見えしまいます。そのため、しょっちゅう隣の的を狙っていました。

<霞的について>
霞的の大きさは一尺二寸(36cm)中心の白丸の部分から順に
・中白(半径3.6cm)
・一の黒(幅3.6cm)
・二の白(幅3.0cm)
・二の黒(幅1.5cm)
・三の白(幅3.0cm)
・外黒(幅3.3cm)
と言うそうです。実はこの大きさについては諸説ありますが、的の大きさである36cmは人間の胴体の大きさを表しているとも言われています。
現在では武道として心身修養のために用いられており現代弓道と呼ばれているそうです。さぼってばかりの不心得者は私くらいでしょうね。
戦前は弓術と呼ばれ、現代弓道の「真・善・美」の最高目標と違い、「飛・貫・中」を目指した技の競い合いだったそうです。

https://suizanmiyabi.com/kyugucolumn/kyudougu02_19.html


<星的について>

星的は直径36cmの白い的に直径12cmの黒丸が描かれた的をいうそうです。
この黒丸のことを星と呼び、「図星」の語源になっていると言われているんだとか。
こちらは簡略化した的なので、一般の道場ではあまり使われていないそうです。
日本では破魔矢や破魔弓が縁起物として知られていますが、元々は濱矢、濱弓と呼ばれ、ハマとは的のことを意味していたのだとか。
濱弓は元々、冬至の頃に一番弱くなる太陽を、弓矢で射ることで復活させる呪術に用いられており、このときに用いられる的は太陽を表すものだったそうです。そのため星的は、太陽を基に作られたと言われております。

https://suizanmiyabi.com/kyugucolumn/img/column/su_hosi.jpg


お日射(おびしゃ)と濱弓(破魔弓)

お日射(おびしゃ)という神事は「水泉動(みずあたたかくをふくむ)」のころの時期、主に関東地方中心に行われているそうです。
中国の暦で寒の入り(小寒・大寒の二節に突入し、最も寒くなる時期)直前の冬至末候に置かれる「水泉動(みずあたたかくをふくむ)」のころ、冬=水の気の中に陽気が飲み込まれてしばし支配される現象を表すのにより的確なように思われます。これを境に「一陽来復」となるわけです。
日本では、貞享暦で変更後、宝暦暦で小寒次候に再び置かれることとなりました。
北半球で冬至を過ぎてからの最も寒さが厳しいこの時期に、南回帰線に到達した太陽はふたたび北半球へと「帰って」きます。

ミトラ教などと習合して太陽神となったキリストの生誕を祝うクリスマスや日本神話の天岩戸隠れの物語などは、一度力を失い遠ざかった太陽が再び力を取り戻して戻ってくることを祈念する信仰から生れたものだそうですが、太陽の招来復活を祈る信仰と真逆で、太陽を射殺す不思議な神事が「お日射(おびしゃ)」。
その分布はかなり偏っていて、西日本の一部で「的射(まとい)」「百手(ももて)」としておこなわれている以外では、関東地方一帯、主に利根川下流域の千葉県北部、茨城県南部、埼玉県東部に集中しているそうです。
特に千葉県北総を中心にもっとも多く見られます。
お日射(おびしゃ)とは御奉射、御歩謝、御備謝、御毘沙、鬼射とも書きますが、これらは当て字で本来は「御日射」と考えられているのだとか。
これは「太陽を射る」神事。
古くは平安時代にも記録があり、村落共同体がより集い、神社の境内で太陽に見立てた的に弓矢を射て、その年の豊年を祈願します。

破魔弓(はまゆみ)とは、弓と破魔矢(はまや)のセットされた総称をいうのだそうです。破魔矢は、正月の縁起物や神具として寺院・神社で授与される矢のことだそうです。
男の子が生まれた家に贈る正月の破魔矢飾り このほか、家屋を新築した際の上棟式に呪いとして鬼門に向けて棟の上に弓矢を立てる風習があります。

新生児の初節句に親戚や知人から破魔矢・破魔弓を贈る習慣は、正月に行われていた弓の技を試す「射礼」(じゃらい)という行事に使われた弓矢に由来するとされています。
元々「ハマ」は競技に用いられる的のことを指し、これを射る矢を「はま矢(浜矢)」、弓を「はま弓(浜弓)」と呼んでいました。

「はま」が「破魔」に通じるとして、正月に男児のいる家に弓矢を組み合わせた玩具を贈る風習が生まれたのだそうです。

日本では呪術をかける事は少ないと言われていますが、呪術に対する破邪の慣習は多くあります。
一般に破魔矢の先が鋭く尖っていないのは、目標とする人や物自体ではなく邪魔が発する邪気・邪意・邪道・邪心等の妖気を破り浄化する用を為せばよいので、鋭利な刃物である必要が無い為と言われているそうです。

お日射(おびしゃ)と濱弓(破魔弓)の風習を鑑みると秦 伊侶具の稲荷神社縁起は、富に奢った秦氏がいたずらに餅を的として射た。っていう単純なお話ではないと思います。
矢を放って一年の悪鬼を祓い、民の無病息災を祈り、太陽の復活や再生を願い新しい年の五穀豊穣を祈願を行う格式高い神事としてお日射(おびしゃ)。穢れを鏡餅の的として魔を払う破魔の神事を取り行ったと考えられます。弱くなった太陽を弓矢で射て、のでは?と思います。

弓と八節、八卦アンタレスマトリックス

弓を射る時には「射法八節」足踏み(立つ位置を決める)・胴造り(姿勢を整える)・弓構 (ゆがま) え(弦に指をかける)・打起 (うちおこ) し(弓を持ち上げる)・引分 (ひきわ) け(弓を引く)・会 (かい) (狙いを定める)・離れ(矢を射る)・残心 (ざんしん) というお作法があります。

https://www.kyudo.jp/howto/syaho.html


これは二十四節気の中の、立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至「八節」に対応していると思います。

https://images.app.goo.gl/aCs8zT1yN7HBuSHk8より

さらにイメージを広げると八卦=八方位と同じものだと思います。

https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1169601による

弓矢を射ることは五穀豊穣を願うお日射の神事であり、魔を払う破魔矢の呪いであり、放った矢が的のどの部分を射たのか?を見ることで、方位を占う占断でもあったのでは?と思います。

秦 伊侶具の稲荷神社縁起ではお日射と破魔矢、そして的を八卦に見立て五穀豊穣の神社を送検するための卦を見たのだと思います。

矢が刺さる構図はタロットカードでは「6恋人」または「20審判」が該当すると思います。どちらも上位こ次元から神の意図が下りてくる下降してくる構図だと思います。

https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7416157

餅を的にしているのでエーテル体H96を足場にして、天の意図が創造の光線H1が矢の形に重なりながら地上へ降下してくる。みたいな感じだと思います。
たぶん、冬至の当たりの日食のタイミングでH1をH96に降ろす感じの話。
これは時の天皇(おそらく天武天皇か文武天皇あたり)が治世のために稲荷建立を思い、秦 伊侶具氏にその是非を占断してもらった。っていうのが本筋なのでは?って妄想していました。占断の後に晴れて伏見稲荷大社が建立されたと思います。創建が708年 - 715年それより以前に行われた神事であり、そのタイミングは冬季の日食、冬至前後かな?って思います。


もともと、米っていう字は*に似ていて、縦横斜め4方向にアームが伸びています。平面だと4本アームに見えますが、立体にすると前後を貫通する軸、斜めを貫通する軸が現れると思うので米を3D立体文字にすると8本アームになると思います。
お米を食べるとアンタレスマトリックスが良く働くようになるんじゃないかな?で、食べるときは米ではなく前後に軸が貫通した8本アームの米の字をイメージすると良いのでは?って思いました。
けっこう暴論で妄想的ですが、そう思っちゃったんだからしょうがない。