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アートの楽しみ方をつかめた、かもしれない話

昨年読んだ本でダントツに面白かった、「13歳からのアート思考」。
冒頭に、印象派の中心人物であるクロード・モネの「睡蓮」が紹介されていました。(余談だけど、印象派ってことばの由来は「印象的にへたくそ」ってことらしい。ひどすぎでしょw)

岡山県の大原美術館にあるらしい

でね。

この絵を見て、ある男の子が「かえるがいる」って言ったんですって。実際には、どこにも描かれてないのに。「いま水にもぐっている」って。

アート鑑賞とはこういうことだ、と著者の末永幸歩さんはおっしゃっています。本来の意味での鑑賞とは、作品情報と実物を見比べる単なる答え合わせではなく、自分だけのものの見方で作品をとらえて、自分なりの答えを手に入れること

ふむふむ。

なんか面白そう!価値観凝り固まったアラサーのわたしにも、「かえる」は見えるだろうか?確かめたくなり、モネの睡蓮を見に、上野の国立西洋美術館に行ってきました。

国立西洋美術館にあるモネの「睡蓮」

え?岡山県じゃないの?と思うかもしれませんが、実は、モネの睡蓮って、たっくさんあるらしいのです。

《睡蓮》はクロード・モネによって制作された約250枚の油彩絵画なるシリーズ作品。フランス、ジヴェルニーにあるクロード・モネの自宅の庭(現在のモネ財団)を描いたものである。モネの晩年までの30年の間に制作されたもので、モネ後期作品の代表でもある。

アートペディアより引用

(250枚て!!多すぎ)


《睡蓮》を鑑賞してみた


まずね。

でっか!!!!!

です。想像以上のキャンバスの大きさ。4畳くらいあるわ。睡蓮は写真でしか見たことなく、勝手に小さく思ってたので度肝を抜かされました。これを知れるのもリアル作品の醍醐味って感じですよね。


で、問題は「かえる」ですよ。

いや、そりゃ実際に描かれてないことは百も承知ですけどね。わたしだけの「かえる」を見つけられるのか?睡蓮を見て、何か感じ取れるものはあるのだろうか?





\わからん!^^/


期待させてマジでごめんなんですけど、全くもって、かえる的なサムシングが見えなかった。「こ、これが生の睡蓮。へ~」だけ。。。

悲しいかな、お目当ての《睡蓮》なのに、わたしなりのものの見方が全くできなかったんです。唯一気になったのは画法。どうやって描いたんだろ~くらい。こんなでっかいキャンパスに描くの、どうやるんだろ。大変だったろうな~って、それだけ😂


アートとの遊び

しかし!国立西洋美術館、行ってみて充分に元が取れたと言い張れるくらい、楽しかったんです。モネの《睡蓮》以外の作品で、面白さをもらえたから。

例えば、こちら。

何が描かれてると思います?わたしは、

ローストチキン×マスタードソースかな~クリスマスとか?美味しそう~。題するは「晩餐」かな。

わいの頭のなか

と想像してました。お昼前でお腹減ってたし、ね😊
ところが、作品名を見てみると・・・


・・・「死霊が見ている」!?!?!?!?!?

うそでしょ!?わからん!!!!^^


(ちなみに、友人は「お皿の上のステーキに見えた」と言ってました。わたしたち、どんだけ空腹だったんだ😂)


もひとつ行こう。

何が描かれてると思います?わたしは、

とりあえず、真ん中のは木だな。家みたいなのもちらほら見える。けど、空が茶色いってどゆこと?嵐から街を木が守ってくれてるよってことかな?意訳すると、自然が猛威を振るって人々の命を脅かすけど、その一方で自然によって命が守られる。的な。うまく付き合おうぜってかんじ?

わいの頭のなか

と想像してました。ところが、これまた作品名を見てみると・・・


・・・「風景」


いや、雑だね!!!作品名が雑!!!こう、心震わすメッセージ的なのないんか!?考えすぎてた自分が恥ずかしいわ!!!!

そんな遊びを、ぱっと見で惹かれた作品としてたらあっという間の時間でした。

自分なりのものの見方


そんなアート鑑賞を繰り返していると。・・・あれ、もしかして、これこそが自分なりのものの見方、なのかもしれないぞ。なんか、コツがつかめてきた、かも?と思うようになりました。


言語化すると。
なるべく、最初に作品情報は見ない。そのうえで、作品そのものをまじまじと見て、

  • 何が描かれてるか?

  • その中で特に何に惹かれるか?

  • この作品が出すメッセージは何か?

  • 作品名を付けるとしたら何にするか?

など、頭の中でぐるぐる言語化してみる
で、最後に作品情報を見て、わたしの見方とのズレを楽しむ。自分がどんな観点でものを見る傾向にあるのか、今どんなことに関心があるのか(お腹が減ってるとかw)、浮き彫りになることも。

だとすると、究極にいえば、最後にやってた作品情報のチェック、答え合わせなんて要らないかもしれませんね。


また、わたしが面白さを感じた作品は、ほとんどが現代アート、20世紀以降の作品でした。だって、はちゃめちゃなんだもん。「わからん!」ばっかりなんですよ。でも、だからこそ自分なりのものの見方をしやすい。やはり、著書で末永さんがおっしゃるとおり、カメラという新しい技術が出てきてから「アートにしかできない表現」に磨きがかかった結果なのかもしれませんね。

さいごに

わたしなりのアートの楽しみ方がひとつ確立しました。

ひとことで言うと、「作品情報は見ない!!!」です。育休最後の2週間、美術館巡りを楽しみたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました!

おしまい


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