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2020年2月後半の日記

 赤ちゃんもだらだらするんだ、と思う。ひとりで子ども向け番組を観ていた乳児が、いつの間にか寝転んで授乳クッションにうまくもたれているのを見つけて、それどこで覚えたん?と訊いても答えは返ってこない。

 元気になった8か月児は、この期間に9か月児に。離乳食はしばらく前から三回食にしているが、出せば出した分だけすべて食べる。食材を増やしたいのでベビーフードを積極的に導入。それにしても、お皿が空になると「ないないない!」と叫ぶのは偶然かもしれないが笑ってしまう。

 色のはっきりした絵本と、ひらがなのカードがお気に入りで、何度も笑ってくれる。

 立位は完全に安定。なんなら、お尻をつけずにスクワットもして見せてくれる。わたし運動とか苦手なんだけど、あなたは得意そうでいいね、と思う。

 Twitterの企画で、かみしのくんから #令和版百人一首リレー を回してもらって、川野芽生さんの歌を選ばせていただく。わたしからは牛隆佑さんにつないだ。

 摘まるるものと花はもとよりあきらめて中空にたましひを置きしか
 / 川野芽生「Lilith」/「歌壇」2018年2月号

 バトンを回してもらってからというものの、何人もの歌人、いくつもの歌から本当に悩んだ。最終的に、子供たちに残したい歌というコンセプトで決定。何をテーマに詠むかということは、短歌の中心的な価値ではないのかもしれない。でも、歌が何に立ち向かっているのかは、決して外せない大切なことだと思う。お飾りのように扱われる花は、人は、あきらめて魂を中空に置いてしまったのだろうか。そうじゃないんだと、読んでいる。

 2月19日は徳島文学協会の朗読会「ヨムヲタノシム」が開催された。詩歌や絵本、小説などを、それぞれの持っている声で表現するという場、本当に楽しかった。この日はご厚意で子どもも一緒に参加させていただくことができた。わたしは『ピース降る』と、最果タヒさんの詩集『死んでしまう系のぼくらに』を朗読。最果さんの詩集は、以前に友達の龍翔さんと大阪の葉ね文庫さんで朗読会をやった時にも読ませていただいた。その時から今日までの経験も重ねて読んだ気がする。

 2月21日発売の「短歌研究」2020年3月号の特集「歌人、「わが本職」を歌う。」に短歌と文章を寄稿。(本職、とは……)仕事の歌は誰かを侵害しないかという恐れがある。それでいて、自分と大切なひとたちの関わりを良くも悪くも感じて、双方向の痛みもいたわりも内包している。精神科医として現場を詠むことが、単純には分けられないけれどいいことなのか、意味のあることなのか、ずっと考え続けていこうと思う。いつか、土岐友浩さんみたいな考えにいたるのかもしれないし、わたしはそうじゃないのかもしれない。

 2月24日は、Juice=Juiceの新曲のリリースイベントを見に神戸に行った。卒業の決まった宮本佳林ちゃんはすっきりした表情で、思い切りはじけていて、ますます可愛く、ソロは磨き抜かれていて、素晴らしかった。佳林ちゃんに目を奪われつつも、Juice=Juiceはみんなパフォーマンスが素敵で、目が足りない。

 2月末、今月の疲れが一気に出た感じで一日だけダウン。風邪の始まりのような感じで鼻がぐずぐずして、体が重かった。明日できることを今日しない、たくさん食べる、あたたかいものを飲む、ごろごろする、という作戦でなんとか回復。でも無理はしないでいたい。だらだらを極めた赤ちゃんを見習いたい。

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