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名前の由来

 Twitterを始めて、丸6年になる。きっかけは、熊本県PRマスコットキャラクターくまモンのツイートを読むためだった。アカウント名が必要となり、いろいろ考えた末、女優の松嶋菜々子さんのお名前の一部を借りて、「NANA(なな)」とつけることにした。

 凛とした美しさが魅力の松嶋菜々子さんとは対照的に、あの頃の私は、かなり自信を失っていた。いわゆる「人生の午後*」に差しかかり、未来に行き詰まりを感じていた。下りエスカレーターを駆け上がる思いで外見を磨き、資格取得のための勉強をしながら「何かをしている自分」に安心しようとしていた。

 このまま何事も成さず老いていく自分を受け入れられなかったのかもしれない。「このまま死ぬのはいやだ」と毎日泣いていた。だからせめてTwitterの世界だけでも、違う人になりたかったのかもしれない。からっぽの自分を持て余し、未来を憂いていた6年前。

 幸いなことにこの6年間で、私は私を受け入れられるようになった。自らと向き合い続け、本当はどう生きたいのか問い続けたおかげで、生涯をかけて携わりたい仕事に出会うことができた。自分の本心と向き合う作業は、ときに辛く苦しいけれど、そこから逃げなかったから今の私がある。せっかく与えられた命だもの、最後は「いい人生だった」としみじみ感謝しながら幕を下ろしたい。その思いで声を聴き続けた結果なのだ。

 今はもう、自分以外の誰かになりたいとは思わない。それでも「NANA(なな)」という名前を使い続ける理由が2つある。フォローしてくださる方々にこの名前が浸透しているから。そして、私自身がこの名前に愛着を持っているから。喜怒哀楽を共にした「NANA(なな)」という名前がすっかり好きになっているのだ。

 本名でも、アカウント名でも、私であることに変わりはない。Twitter7年目もこの名前で。

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*「人生の午後」・・成人期発達研究の父と呼ばれたユングは、人生を一日の太陽の運行に見立て、40歳を「人生の正午」と呼んだ。そして、人生の午前から午後への移行期である「中年の転換期」を人生の最大の危機としている。これまでの生き方を振り返り、午後の時間をどう過ごしていくのか深く考える時期と言われている。

#名前の由来

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