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感動のバリューチェーンで、消費者が本当に喜ぶお酒を届けたい【玉乃光酒造】

創業350年 京都伏見 玉乃光酒造の副社長🤗他では聞けない日本酒と酒かすの話。オーガニックと発酵研究中🌱今まさに全力疾走中のプロジェクトの実況生中継を熱くお届けします! 

今回はそんな私が考える、日本酒業界の現状について少しお話したいと思います。


はじめに…

世の中が変化していくに伴い、食品流通にもデジタル化とインターネット化が当たり前になっています。

メーカーがインターネットで商品を販売し、消費者はボタンひとつで直接購入できる。

これにより、世の中では消費者のことを一番に考えたものづくりというのが当たり前になっています。

昔みたいに、企業主導で消費者に選んでもらえる時代というのはとうの昔に終わってるわけです。


しかし、我々日本酒業界は、未だに昔ながらの流通の仕組みに則ったままで、なかなかそこに手を伸ばせていないのが現状です。

世の中ではインターネットの世界が中心となりつつあるので、我々もそういった事業にも積極的に手を伸ばしていく必要がある…


そう思う一方で、もうひとつ忘れてはならないことがあります。

日本酒はただの商品という以前に、「嗜好品」であるということです。

日本酒のような嗜好品は、インターネットの世界に頼るだけでは感動を作ることはできない、と思うのです。

スーパーで夜ご飯を何にしようかなと考えたり、友達とご飯にいったり…。

買い物をすること自体が消費者にとっての日々の娯楽のひとつです。

一緒に飲む仲間がいたり、リアルで顔を合わせることで、初めて感動が生まれる。


我々の仕事は、そんな感動を消費者に届けていくことだと思います。


それを実現するためには、既存の仕組みに頼るだけではなく、未来に向けて本気で考えていかないといけない。

ただ我々は、まだまだ小さな酒蔵です。

我々の力だけじゃ、どうすることもできません。

卸売業者の皆様、小売店の皆様含めるたくさんの方々に力を借りたく、私の想いをここでお伝えしたいと思います。


日本酒業界における流通の仕組みの現状

我々酒蔵が作ったお酒は、直接消費者に届くわけではありません。

酒蔵がお酒を作って、卸売業者が仕入れ、そのお酒を酒屋、スーパー、コンビニなどの小売店へ売ってもらう、そしてやっと消費者の元に届きます。

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この仕組みがあるおかげで我々は酒造りができていますし、それぞれの力無しでは、我々が作ったお酒を世の中に届けることは絶対にできません。

ただ同時に、この仕組み上、「酒蔵」と「消費者」にはどうしても距離ができてしまう、ということも一酒蔵の人間として感じています。

卸売業や、小売店がどれだけ力を発揮して下さっても、まず商品を作る我々酒蔵自身が消費者が望んでいるものを理解しづらいために、本当の意味での消費者視点の酒造りができていないのではないか、と思ったのです。


仕組み上、消費者視点のお酒造りがしづらくなる

例えば、今世の中に販売されている日本酒は、4合瓶サイズや1升瓶サイズが多いと思います。

ただ、4合瓶サイズや1升瓶サイズの日本酒だけを作り続けることは、今の消費者に本当に求められているでしょうか?

もちろん、多くの人が集まる場や居酒屋等では重宝されるかもしれませんが、現代の消費者が日常生活で大きいサイズの日本酒を購入することはハードルが高い、というのが事実です。

ただ、既存の流通の仕組み上、そうせざるを得ない現状があります。


例えば、卸売業者がお酒を運ぶトラックは4合瓶や1升瓶を運ぶ用に仕切りのサイズが決まっています。
酒屋やスーパー、コンビニの商品棚も棚の大きさも決まってしまっています。


酒蔵から卸売業者へ、卸売業者から小売店へ、小売店から消費者へ、そういった流通の仕組みに頼りすぎてしまった結果として、大きいサイズを製造するという選択肢を選ぶしかなくなってるのです。


一致団結して、消費者が喜ぶお酒造りを。
感動のバリューチェーンの構築。

このように、これまで通り既存の流通の仕組みに依存したままだと、いつか消費者から見捨てられていきます。

ただ、酒蔵、卸売業、小売店全員で同じ方向を向いて一致団結することで、消費者が感動する商品をまた生み出していくことができると思うのです。


酒蔵のお客さんは卸売業者、卸売業者のお客さんは小売店と考えるのではなく、

酒蔵、卸売業者、小売店にとって、消費者こそが共通のお客さんであることを再認識し、消費者を第一に考えること。

流通の仕組みに合わせた酒造りではなく、全員で同じ方向を向いて消費者の需要に合わせたお酒を届けること。
それが、感動のバリューチェーン。


玉乃光


慣れ親しんだ仕組みから、新たな仕組みへ変化するにはもちろん時間がかかります。
勇気も必要です。

これまで続けていた当たり前のことを捨てないといけません。

我々酒蔵だけが立ち上がっても、卸売業だけが立ち上がっても、小売店だけが立ち上がっても、変化できるものではありません。

たくさんの仲間と一致団結して、夢や未来を実現していかないと、単独ではやっていけない。

現状を打破してお客さんが本当に喜ぶお酒を作っていくために、酒蔵、卸売業、小売店、みんなでタッグを組んで、語り合いながら、感動のバリューチェーンを構築する。消費者が心から喜ぶ酒造りに取り組んでいきたいと考えています。


それぞれの役割を活かしていく

我々酒蔵のようなメーカー、そして、卸売業、小売店にはそれぞれ役割があります。

皆様の存在があるからこそ、我々の生み出したお酒を世の中に届けることができているわけです。

我々メーカーとしては、卸売業の皆様の企画に十分に応えられるような商品開発をこれからもやっていきたいと思っていますし、小売店の皆様に満足してもらえるような商品の品揃えを実現していきたいと思っています。

流通チャネルの出発点は、我々メーカーです。

出発点として、面白いものを世の中に生み出していく。

これがメーカーの醍醐味で、一番やりがいを感じる部分なので、自社の人間で力を合わせてどんどん取り組んでいきたいと考えています。


ただ、それを世の中に届けていくためには、我々の力だけではどうすることもできません。


作ったものを伝えるための企画を作って下さる卸売業者さん、

それを消費者の感動体験に変えて下さる小売店さん、

皆様の力があって初めて消費者のもとに届きます。


それぞれの役割を組み合わせれることができれば、きっと日本酒業界をもっと盛り上げて、世の中に新たな感動を届けられると思うのです。


長く続いているコロナ渦ももうすぐ終盤に向かっていくはずです。

コロナ渦を抜けた時には勢い良くスタートを切れるように、メーカー、卸売業者さん、小売店さん皆様で感動のバリューチェーンを構築し、「消費者」という共通のお客さんの方向を向いて、日本酒業界の未来を明るくする一歩目を歩んでいけたら嬉しいです!

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