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さすらいの ノマドウォーカー

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2015年12月の記事一覧

さすらいのノマドウォーカー⑱

さすらいのノマドウォーカー⑱

意識が戻ったらめでたしめだたしだと安易に考えていたが、そうは問屋がおろさなかった。

むしろ大変なのはここからだった。

長いこと寝たきりだった母の体力は極限まで低下し、筋力は弱り自力で立ち上がることもままならなかった。

また意識も混濁しがちで、家族を間違えることはなかったが、医者や看護師を親族や新しい店子と認識したりと倒れて入院していることが理解できないようだった。

体を動かして脳への血流が

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