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市電と路線バスで函館空港に向かう

函館周辺の観光地群と函館空港が結構近いのは、現地に行ったことがある人であれば、ある程度想像がつくと思います。

大半の方はリムジンバスかレンタカーのイメージとなるアクセスですが、函館空港には路線バスも乗り入れているので、それを活かす移動方法もあります。
今回は、湯の川乗りかえで市内主要部を結ぶ市電と空港にアクセスする路線バスを乗り継いで利用する方法について書いてみます。

函館市電は乗車距離に応じて運賃が変わる、いわゆる整理券方式のワンマンカーによる路線です。現金で利用する場合は乗車時に整理券を取り、降車時に運賃箱に整理券を入れると投入すべき金額が表示されるので、相当額を支払えば下車できるしくみです。

バーコードの部分が運賃を算出するカギとなっている

また、SuicaやICOCA、nimokaなど全国共通の交通系ICカードで利用することもできます。この場合は乗車時に読取り機に交通系ICカードをタッチし、降車時に交通系ICカードを運賃箱の読取り機にタッチすれば精算完了となります。

ちなみに、函館市電には谷地頭と湯の川を結ぶ2系統と、函館どつく前と湯の川を結ぶ5系統があり、両系統は十字街停留所で別の線路を走ります。谷地頭と函館どつく前を直接結ぶ系統が存在しないので、この区間を利用したい場合は十字街停留所で運転士にその旨を伝えることで、特別な対応をしてもらうことができます。函館市電では、この利用のしかたを「乗換」と読んでいます。

現金での利用の場合は、乗換時に目的地までの運賃を支払い、乗換券を受け取って次の電車を降りるときに整理券と乗換券を運賃箱に入れます。
交通系ICカードの場合は特に申し出ることなく、乗換時に運賃箱の読み取り機にタッチすれば、そこまでの運賃がチャージ残高からまず引き落とされ、次の電車を降りるときには実際の運賃と乗換前の運賃の差額が引き落とされるしくみになっています。

一方、函館市電と路線バスを連続で利用する場合は少し対応が異なります。実際に、この利用のしかたを「乗換」とはいわず「乗継」として案内しているのにも理由がありそうです。

考え方は現金も交通系ICカードも同様で、函館市電と路線バスを「乗継」すると、それぞれの運賃の合算から160円を割引するというしくみになっています。

現金での利用の場合は、1つ目の乗りものでの下車時に運転士へ目的地と「乗継」の旨を申告すると、下車時の運賃+50円を支払うように運賃箱にセットされます。相当額を支払うと、乗継券を受け取ることができるので、これを持って2つ目の乗りものに乗車し、整理券と乗継券、そして運賃表の額面から210円を引いた差額を支払えばよいことになっています。

湯の川停留所で受け取った乗継券

交通系ICカードの場合は注意が必要です。さきの「乗換」と同じように読取り機へのタッチだけで対応しているのは、函館市電や函館バスで発行しているICASnimocaのみであり、他の交通系ICカードは乗継の処理ができません。他地域から函館に訪れて、手持ちの交通系ICカードを利用する場合は注意が必要です。

では今回、自分はどのようにこのしくみを利用したかをまとめておきます。

今回の函館での旅程は下記のような感じでした。

函館駅前→→函館どつく前→→十字街→→谷地頭→→湯の川……湯倉神社前→→函館空港

この乗り方で普通に大人運賃を支払う(割引なし)と下記のようになります。
函館駅前→[230円]→函館どつく前→[210円]→十字街→[210円]→谷地頭→[260円]→湯の川……湯倉神社前→[240円or250円]→函館空港
単純に計算すると1,150円となるので、市電1日乗車券(600円)と函館バスの運賃(240円or250円)とする方が割安になります。(函館バスに別の路線でさらに1回以上乗るという場合はスマホ市電・函館バス1日乗車券(1,000円)が便利です)

ところが、「乗換」「乗継」のしくみをうまく組み合わせると、
函館駅前→[230円]→函館どつく前→[210円]→十字街→[差額20円]→谷地頭→[260円+50円]→湯の川……湯倉神社前→[乗継券+30円or40円]→函館空港
となって、800円か810円となり、市電1日乗車券+函館バス運賃よりも少しですがさらに割安となります。
実際に今回は函館駅前から函館どつく前、函館どつく前から谷地頭までは交通系ICカードで利用し、谷地頭から湯の川乗継の函館空港までは現金で利用しました。

湯の川電停。温泉街近接となる湯の川温泉電停のもうひとつ奥の停留所。

函館市電は日中8分おき(2系統と5系統が16分おきで交互に走る)、湯倉神社前と函館空港の間は経路が何通りかあるものの、本数は毎時それなりにあるので、長時間待つことはほぼありません。乗継指定場所となっている湯の川電停と湯倉神社前停留所は信号待ちがなければ徒歩2~3分の距離です。湯倉神社前ー函館空港間の所要時間は12~18分(経路により異なる)、市電とうまく組み合わせて活用してみてください。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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