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すごいぞ!はっせん!■09ー阪神電気鉄道8000系

今回は阪神8000系について語ります。

阪神電気鉄道8000系は1984年から製造開始となった界磁チョッパ制御の優等列車用電車(いわゆる急行系)で、129両製造されています。これまでの単車から3両までの短い編成を組み合わせて運行してきたスタイルから大きく舵を切り、6両固定編成(工場では3両ずつに分割できる)として登場しました。
1次車としては6両1本のみでしたが、翌1985年から登場した2次車は先頭車の前面構成が大きく変わるだけでなく、側窓も長らく親しまれてきた二段窓から一段下降型のものに変わりました。内装もグリーン主体のものからアイボリー主体の構成に変わり、見た目は1次車やそれ以前の車両と全く異なる編成が登場しました。ただ、床下機器の構成は1次車とほぼ同様で、屋根上の冷房装置やパンタグラフも同様のものが用いられていました。

赤胴車だった頃の阪神8000系

1986年から導入された編成は冷房装置が変更となり、車内の天井構造が大きく変わりました。1991年からのものは側窓の構成が変わり、連続窓風のものに変わりました。

転機が訪れたのは、最終編成が竣工する直前にあたる1995年です。1月17日に発生した阪神淡路大震災によって多くの車両が被災し、8000系もおよそ半数が該当しました。修繕が施されて復帰した車両も多数ある一方で、15両がこの被災により廃車となりました。8000系は6両編成のうちの一部が廃車となったものばかりであったため、残った車両の向きや機器の組み合わせを活かして編成を組み替え、不足する3両を追加新製して、現在の19編成114両の構成となりました。

1次車の生き残り3両と別の2両と追加新製した1両を組み合わせた編成
こちらも左側4両と右側2両がもとは別の編成だった

1998年に阪神と山陽の相互直通区間が拡大され、阪神梅田と山陽姫路の間で直通特急が運行されるようになると、8000系も直通特急として活躍するようになりました。

山陽電鉄に乗り入れた阪神8000系

2002年頃から順次、内装更新工事が始まり、一部の中間車が乗降口間の座席をロングシートから転換クロスシートに変更となったり、車いすスペースの追加などが行われました。この工事は一時期の中断を経て、2015年に完了しています。


2022年現在もデビュー当初と変わらず、本線系の優等列車として分け隔てなく活躍しています。今後も安定感ある活躍が期待できそうです。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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