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なにわの六丁目はしっこ物語ーバスもあるで

今回は大阪の少しマニアックな話題に触れてみます。

大阪市内の交通機関と言えば、Osaka Metroと大阪シティバス。
地下鉄の路線図を見ると東京メトロもそうですが、「◯◯なん丁目」という駅があちこちにあります。
そんな中、大阪市内の駅や停留所の「六丁目」を見てみると、少し興味深いところに気づきました。

まず地下鉄の「六丁目」は2か所。
谷町線・長堀鶴見緑地線の「谷町六丁目」と
谷町線・堺筋線の「天神橋筋六丁目」の2つです。
いずれも「タニロク」「テンロク」と略されることも多い、
市内ではおなじみの地名といえます。

ところが、「タニロク」の1駅南には谷町九丁目駅、
つまり「タニキュウ」もあるのですが、
千里丘陵で開かれた万博よりも前から大阪にいる人は、
「ウエロク」という人もいらっしゃる。
ウエロク……上六?
はい、地下鉄が開通する前は市内を
路面電車が縦横に走っていたわけですが、
その市電の停留所は谷町九丁目よりも1つ筋が東側、
上町筋と千日前通の交差点がメインでした。
その交差点は「上本町六丁目」。
近鉄大阪上本町駅がその交差点の南東角にあります。
路線バスの停留所となった今も、
上本町六丁目という名前は変わっていません。
(近鉄バスは「近鉄上本町」となり、のりばも異なりますのでご注意を)

では大阪シティバスの停留所で六丁目を探すと、
なかなかあちこちにあるどころか、
終点になっているところもあることに気づきます。

終点になっているところだけを挙げると、
住之江区に南港南六丁目(15号系統)があります。
南港魚つり園の最寄停留所です。周囲は物流センターなどが所在しており、住宅などは見当たりません。

逆に一部の便が始発になる停留所もあります。
梅田から少し北に行ったところに中津営業所がありますが、
その最寄停留所が中津六丁目(北区)。
この中津六丁目から41号系統が大阪駅前行きとなって
何本か始発となっています。
始発しかないという不思議は営業所を囲む道路から生まれます。
阪急中津駅の南向かいにある中津営業所を囲むように
道路が三角形を構成しています。
そして中津営業所に入庫するバスは
大阪駅側からしか入ることができません。
出庫する場合は道路を横断して右折するわけにはいかないので、
大阪駅とは逆の方、つまり一旦十三大橋の方に向かって
バスは進み始めます。
中津六丁目の停留所は十三大橋に向かう手前にある交差点を
左折した先にあり、この道路は野田阪神や福島西通、
高架となっている北向き一方通行の十三バイパスや
福島六丁目方面へ向かう道路へとつながります。

中津六丁目を始発とする41号系統は福島六丁目を経由して、
大阪駅前に向かい、別の系統となって各地へ向かうための
出庫便となっているのでありました。
ちなみに入庫便は距離も短く、1つ手前に当たる中津の停留所は
58号系統の1種類しか停まらない特殊な停留所であるため、
客扱いをせずにすべての入庫便が回送として走ります。
過去には十三方面から中津六丁目止まりという系統もあったようですが、
かなり昔のことで本数も少なかったらしく、定かではありません。
過去には佃六丁目(西淀川区)や湯里六丁目(東住吉区)などを
始終着とする系統もありました。

最後にテンロク、天神橋筋六丁目は阪神の路面電車である北大阪線が
走っていた名残で、阪神バスの始終着停留所となっていますが、
利用状況の変化もあって本数は大きく減っています。

駅や停留所がそこにある理由もさることながら、
名称からは想像もできないようなところもあるというのが、
また奥ゆかしいところかと思うのですが、いかがだったでしょうか。

では次回の投稿まで、ごきげんよう。

2020-06-27(sat)/たまなび倶楽部主宰

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