移動手段の選び方(3)ー目的地によって
北の大地の入場券86駅全部行ってみたシリーズ。
14本目のトピックは道内各地の歴訪について、移動手段の選び方のヒントにできそうな内容を、ざっと初めて行く人向けにまとめてみました。
冒頭の写真は名寄駅からクルマで5分ほど、徒歩15分ほどの所にある排雪列車「キマロキ」。乗り継ぎ時間が1時間ほどあれば足を運びたいところですが、冬季はシートで覆って保護するようにしているので、現物をご覧になりたい方は暖かい時期に訪れてみて下さい。
■函館編
函館駅・函館空港ー新函館北斗駅は距離的には同じぐらい離れています。
函館ー新函館北斗間は列車で15~20分。クルマだと30分ぐらい。
函館空港ー新函館北斗間はクルマで30~40分ぐらいの距離です。
空港と函館駅の中間地点ぐらいのところに湯の川温泉があり、
クルマでの移動であれば函館駅周辺よりも移動しやすいかも。
五稜郭はJR駅からはかなり遠いです。列車で足を運ぶ場合は余裕をもった時間確保を心がけましょう。
■札幌編
長時間滞在する場合は列車や高速バスでの発着がかなり便利です。
道内独特の番地付けが理解できるようになれば機動力が抜群に上がります。
大通公園(テレビ塔があります)を基準にみていくとわかりやすいかと。
札幌駅ベースで見た場合、駅から徒歩範囲で行ける観光スポットは案外限られます。宿泊する場合はすすきの周辺に泊まるか、札幌駅周辺に泊まるか、それ以外のエリアに泊まるかで使える交通機関の幅が大きく変わります。
高速バスやリムジンバス利用の場合はすすきの周辺が便利ですが、朝早くや夜遅くに札幌駅に到着する場合は札幌駅周辺の宿泊先を確保した方がいいかと思います。
■千歳編
新千歳空港はかなり大きい空港の部類に入りますが、関連施設はさらに広範囲に広がっています。
※写真は2018年のもの。2020年現在は状況が異なります。
新千歳空港のレンタカー利用は、基本的に空港からレンタカー各社の指定する連絡バスに乗って営業所まで向かいます。返却後、空港に戻ってくるときも同様です。
営業所は空港から6kmほど離れており、JRの最寄駅となる南千歳駅からも3kmほど離れているので、徒歩での移動は相当時間がかかります。
連絡バスはピストン輸送しているものの、距離があるため10~20分毎の到着となります。
とりわけ最近は乗車定員を制限しているため、利用者が多いと次のバスまで待つように指示されることもあります。
新千歳空港に近接するホテルなどは、ほとんどが千歳駅周辺にあります。新千歳空港駅と千歳駅はJR快速「エアポート」などで7分ほどですが、レンタカー営業所エリアから千歳駅へはクルマで10分ほどかかります。一部のレンタカー営業所は市街地に近いところにありますが、それでもそれなりの距離はあります。
■釧路編
釧路駅を基準で見た場合、釧路空港はクルマで30分ほどの距離。釧路空港の周辺にはガソリンスタンドがないため、返却前の満タン給油は釧路市街地の西側エリア(大楽毛など)で済ませることになります。
根室へは列車もクルマも約2時間から2時間半のイメージ。
網走へはクルマで直接向かう場合は2時間半から3時間のイメージ。
釧網本線沿線を順にたどると4時間以上はみておくことになります。
釧路から西へは道東道がつながりますが、北や東はまだまだ整備途上です。
ほとんどが2車線(対面通行)道路なので、クルマ移動の方は余裕を持った移動を想定しておきましょう。
列車での移動の場合は特急を除くと本数がかなり限られます。
けものとの衝突や吹雪による遅れもそれなりに出るので、乗り換え駅での時間確保や調整ができるように旅程を組むことも大切です。
■根室編
道東の果て、根室まで来ると東端納沙布岬も照準に入るかと思います。
列車で来た場合は路線バスが岬まで約45分で結んでおり、基本的に納沙布岬で40~50分後に折り返します。したがって、単純に路線バスで往復する場合は2時間半ほど余裕があれば歴訪可能ということになります。
根室へは札幌から高速バスで直接向かうこともできますが、路線バスも含めて夏と冬でダイヤが異なりますので、最新の時刻表や、バス会社のwebページでご確認下さい。
■網走編
網走駅近辺のホテルはほとんどが駅から徒歩圏内にあります。レンタカーについては駅から離れている営業所もありますが、送迎対応してもらえるところもあります。
近接の空港は女満別空港となります。クルマで30分ほどの距離となります。
実はJR西女満別駅が近接していますが、徒歩の場合は三角形の2辺を通るかたちとなるので、案外時間がかかります。無理はなさらぬように。
網走監獄をはじめとする観光スポットはクルマであればサクッと回ることができる距離に点在しています。流氷がそばまで押し寄せることで有名な北浜駅も網走市内となりますが、釧網本線の列車で網走駅から15分ほど、クルマでも20分もあれば行くことができます。
■稚内編
最後に北の果て、稚内です。
稚内市内は特急停車駅として終点の稚内駅と1つ手前に当たる南稚内駅がありますが、クルマでの移動や滞在時間が長い場合は、意外と南稚内駅周辺の方が利便がよいかと思います。
北の果ての象徴とも言える宗谷岬は、稚内駅からバスで50分程度かかりますが、すべての便が南稚内駅を経由します。岬での滞在時間は45分ほどありますが、便数が限られるのと、稚内空港が拠点である場合は直接アクセスする定期路線がないため、結局自由度が高いレンタカーを利用することになるかと思います。
そこまでの時間的余裕がない方でも足を運びやすいところとして、防波堤ドームを載せておきます。
ここは稚内駅から徒歩10分ほど。駅から北に少し足を運ぶと見えてきます。
特急列車の折り返し時間は20分ほどなので、近くまで行くのは難しいかもしれませんが、要領よく動けば見ることができるかと思います。
総括としては、列車本数が多いところはクルマを停める場所が本当に限られます。また、朝6時半頃から8時半頃までと、夕方18時から20時頃は送迎のクルマや通学路を通る児童生徒たちの往来で時間も多めにかかります。
これは路線バスや高速バスに乗っていても同様で、余裕を持った移動の必要性が高まる要因となります。
列車の場合はこの要素は小さくなりますが、札幌都市圏や中心都市周辺の朝夕の普通列車は、全国各地と同様でかなり混み合います。旅人としては荷物も多かったり、非日常を楽しむ機会だとは思うのですが、地域の日常を垣間見る意味でも、「郷に入っては郷に従う」の気持ちで、いち利用者として活用してもらえればと思います。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。