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淫夢。2014年12月23日(火・祝)夕方。

アジアの何処か遠い国に旅行者として訪れている。標高が高い寒村で、とても寒い。

人々はモンゴロイド系で、よく日に焼けていて色が黒い。丹精こめた刺繍に彩られた民族衣装を着て、大家族で、家畜を大切にし、共に暮らしている。牛や馬、リャマのような動物の大きな小屋を作り、その奥に人間が住むスペースを作っているような感じだ。

わたしはほっそりとした日本人の青年とその家に滞在している。丸々と太った健康な、小さな少女が、わたしたち旅行者を珍しがり、懐いて、一生懸命もてなしてくれている。

夜になると牛小屋の牝牛がお産を始めた。

その家の父親と、その母親、つまり少女の祖母が牛のお産の手助けを始める。見るか、と問われて、わたしと日本人の青年は牛小屋に向かう。

牝牛は苦しそうにうめいていた。子牛が半分出かかっている。

ちいさな少女はまじまじとその様子を眺めている。

少女の祖母と父親は、ばつが悪そうにしている。とうとう父親が、これを見せ続けるのは娘にはまだ早く、よくないから、お前たちは向こうにいって交わってこい、そうすれば娘にもここから出ていけと言えるから、と言われる。わたしと青年は面食らうが、父親の言うことに従うことにする。わたしたちが牛小屋を出ると、娘も追い出され、元いた部屋に帰っていったようだ。

わたしたちが出ていくとき、少女の祖母と父親が、あの旅行者たちもここで子を生んでここのものになる、人が増えるのはとても嬉しいというようなことを話し合っているのが聞こえる。

わたしと青年は同じような隣の牛小屋に行く。黒い、可愛らしい目をした牝牛がいたが、こちらは座ってそろそろ眠ろうとしていた。眠そうな目がきらきらと光っている。

牝牛の隣には、別の老女が付き添っている。彼女もわたしたちを見てにっこりと微笑む。

わたしたちは牛小屋を通り過ぎて奥へと進む。こちらにも、やはり広い部屋があって、板間に重厚な織物が敷いてあり、ストーブが灯されてかなりあたたかい。

座るなりわたしたちは大声で笑った。子供に牛のお産を見せたくないというのはちょっと分かるけれど、そこで人間の俺たちにあっちでセックスしてこいって、それでいいのか、というようなことを言い合い、おかしくて笑いが止まらなくなる。でもあのひとたちはそういう価値観で、これを可笑しいと思って一緒に大笑い出来る人間が、このコミュニティに自分のほかにもいて本当によかったと、そんなことを言い合って笑う。

言いながら青年は自然に服を脱ぎ捨てている。実に若くて美しい青年なので、わたしはこのひととやりたくないし、裸を見られたくないなと思っている。が、一緒に脱いでいる。牛のおだやかな寝息が聞こえてくる。わたしたちはもつれ合って床に転がる。触れると青年の首と腰は驚く程細い。荒々しく愛撫されて、わたしは叫び声をあげてしまう。わたしたちはここを去って帰るんだよね? と問うと、どっちだっていいと青年は答える。あまりの快感に、わたしもどっちでもいいかと考え始めている。

と、屋根にぱらぱらと雹のようなものが降りかかってくる音がし始める。先ほど満天の星を見ながらきたのであれ? と思う。身を起こしながら雹? と尋ねる。こっちに集中して、と青年が言う。青年は人差し指、中指、薬指の三本で女性器をかき回しながら、乳房を揉んだり吸ったりしている。わたしは爪がまったく当たらないのでこのひと上手だな、そして、右胸のほうが気持ちいいんだななどと考えている。さっき牛に寄り添って寝ていた老女はわたしの声を聞いてどう思っているかな、とも思う。けれどこの村では、こういう嬌声は100%許されるのだろう、と、安心してもいる。

青年は挿入しようとペニスを押し当ててきた。屋根を打つ雹の音は続いている。部屋には女性器の匂いが充満していて、そこにかすかにあたたかい内臓の匂いが混じっている。隣の小屋の子牛はもう生まれただろうか、と思う。青年が入ってきたら、我々ももうここから帰れなくなるのかもな、と甘い気持ちで思っていた。

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