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ASMRについて①~ASMR進化の歴史~(雑記)

今日は日本でも最近人気になりつつあるコンテンツ「ASMR」について書きましょう。かくいう私は毎晩どころか、昼間でもASMR聴く事のあるヘビーユーザーです。 ASMRは主に耳かきや綺麗な声、食べ物を食べる租借音などが人気ですね。今日はASMRを聴いた事がない人にも作品名などを通じて分かりやすく書くよう努力しますね。

はじまりの地

正確には、360度四方八方から聞こえる音の事をASMRという訳ではありません。ASMRは「聴覚や視覚から感じる気持ちいい反応」の事を指します。これの言葉は2010年にアメリカの女性により名付けられました。日本では2013年頃から使われるようになりました。かなり新しい言葉だと言えるでしょう。

一方日本ではASMRというと、人間の耳に見立てたマイクを使って、360度四方八方から音を聴かせる「バイノーラルマイク」を使った音声を指す事の方が多いですね。ASMRという言葉が使われる前から、日本には様々な技術を使った「バイノーラル音声」がありました。いわゆる「立体音響」という名前で日本では知られていました。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm1425841

上記の動画はニコニコ動画でもかなり初期の頃に上げられた動画で、立体音響技術の一つ「ホロフォニクス」を使用した動画です。この頃は音がリアルに聞けるだけでも珍しかったようですね。ニコニコ動画の歴史を紐解くと、10年くらい前から普及し始めたバイノーラル録音の技術は、当時主に自然音や街の音などを聴くために使っていたようです。

2010年頃にはアダルトゲームなどの特典でバイノーラル録音した音声がついて来て、かわいい女性の音声が3Dで聴けるのはよい事ですね。一方でアダルトゲームは5000円以上する高い品物なので、一般的には普及しにくい状態にありました。ニコニコ動画などにも色々な作品がありましたが、ASMR、バイノーラル音声と言われると、ちょっと違う気がします。

2012年に起こったこと

2012年1月頃からバイノーラルマイクを使った動画を投稿し始めたのは、伊ケ崎綾香氏です。ASMRが普及する前からバイノーラル音声を使った様々な活動をしてこられた方です。現在も声優として活躍されています。

2012年頃から徐々に「耳かきボイス」と言われる、女性の声を録音と耳かきの録音を行う男性向けの作品が増え始めました。これは同人作品販売サイトであるDLsiteとニコニコ動画でほぼ同時期に起こっています。日本に「ASMR」という言葉が上陸するきっかけにもなりました。2010年から12年にかけて、伊ケ崎さんの他にも様々な声優さんがバイノーラル音声にチャレンジしました。

このころ「耳かきボイス」とは別に、環境音やお菓子などを録音する「音フェチ」というジャンルに分かれていました。どちらのジャンルもまだまだ人は少なく、一般的なものではありませんでした。DLsiteなどでは、お金を出して買うものですから、一般には認知されません。

2013年頃から15年頃には耳かき音声の他に、ダミーヘッドを使ったシャンプーなどの音声なども行われるようになりました。男性の声を用いた女性向けのジャンルも確立されました。

とみみ氏の登場

とみみ氏が音声作品を投稿し始めたのは2014年です。2015年頃には著名な耳かきボイス投稿者として地位を確立しました。とみみ氏は今までDLsiteなどでしか販売されなかった声優を用いた質の高い音声を、ニコニコ動画で無料提供しました。ニコニコ動画で耳かきボイスを探すと、とみみ氏が投稿した様々な作品を聴く事ができます。

2014年から15年にかけては、ニコニコ動画で爆発的に耳かきボイスが伸びました。「癒し」「聴く安定剤」などと言われました。声優の浅見ゆいさんは、とみみ氏の有料作品「休日屋」などを通じてこの頃から人気になりました。2016年頃になると、とみみ氏の動画や、浅見ゆいさんの動画は投稿してから数日で10万回再生されるなど、一般的な「オタク」にもバイノーラル音声や耳かきボイスが周知されるようになりました。

2016年頃から、バイノーラル音声やASMR、耳かきボイスなどを統合して、ASMRと呼ぶ事が一般的になりました。DLsiteやboothといった同人サイトでは、ASMRという一つのジャンルで頒布されています。同人誌と違い、データでもやり取りできるので、手軽で、家にいながら楽しむ事ができます。

Youtubeへの進出

2017年頃から、日本独自の発展(ボイス、耳かき重視、サブカル重視など)を遂げた日本のASMRは、ニコニコ動画の衰退に伴い、Youtubeにも投稿されるようになりました。さらにニコニコ生放送を行っていた人材もYoutubeに流出するようになると、ニコニコ動画内の文化が、いままでのオタク層だけでなく、一般層にも受け入れられやすくなりました。ここにきて、日本のYoutuberと、ニコ生主が合流し、現在のYoutubeで見られる日本のASMR文化が生まれました。

さらに2018年になると、日本では「バーチャルYoutuber」というジャンルが急成長しました。今までのニコニコ動画の文化などを色濃く残したVtuber達は新たなジャンルとしてオタクに受け入れられました。Vtuber達が「ASMR配信」と言われる、リアルタイムで生放送しながら耳かきや囁きを行う配信を行うよう方も出始めました。無料で質の高い、しかもタイムラグの少ない配信は、様々な視聴者に受け入れられていると思います。

2018年後半頃から週に1回のASMR配信で人気になったVtuberとして周防パトラさんがいます。雑音の少ないリアルな音声で、数多くの視聴者を魅了してきました。

https://www.youtube.com/channel/UCeLzT-7b2PBcunJplmWtoDg

一方で昔からYoutubeでASMRを配信してきた人が、最近人気を博している事も事実です。これらのクリエーターはYoutube風にライブカメラで配信をしたり、Vtuber風にキャラクターを映しながら配信を行ったりするなど、ASMR配信は多様化しています。

将来について

将来的には、バイノーラルマイクが安価なものとなり、一般の人もバイノーラル音声を作れるようになると、他のジャンル同様、衰退するのではないかと思います。しかし、より触感や視覚など五感に訴えるデバイスが進化すれば、今度は入力側のマイクも進化し、耳を実際にごそごそされる感覚や、膝枕されるビジュアルなどが再現され、本来の意味での「ASMR」に近づいていくのではないかと考えています。


今日は珍しくプロフィールに書いてある、消費者目線のレビューを書きました。明日は続きという事で、今僕が見ているASMR配信のクリエーターを紹介しましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは

インターネットを渡り歩いてまだ6年、色々なカテゴリを楽しみ、「消費者」として生きています。 そんな文化の消費者の毎日思ったことアレコレを書いていきます。雑記。