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花の日、魔法にかかる

花譜2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐Q2」は見ましたか?
本当にお疲れ様でした。本当にありがとうございました。

前回のライブ、あれから5ヶ月も経ったのか。5ヶ月しか経っていないのか。
今回もnoteに纏めることにした。スクショもOKらしいので画像を交えながらじっくり書こう。

花譜について

2年以上、歌のみで活動を続けるバーチャルシンガーである。

何度でも言うが、私はこの自信なさげで喋るのが下手くそな女の子が好きだ。
歌に乗せた感情の強さは、女子高校生という若さからくる武器だ。誰にもない、彼女にしかない表現力と歌唱力の組み合わせ。

「なんか・・・こう、私は花譜じゃない時の方が1日の中でも多くて・・・で、なんか・・・どんどん花譜と自分の間の境目!いや、別に私は花譜だと思って生きているわけではなくて・・・あの、境目がない、花譜と私の間に。何て言うんだろ、分けずに生活するようになったというか。歌を取ってるときは「花譜」とか、ご飯を食べてる時は「私」とか、そういうことじゃなくて。こう、なんて言うんだ!?分からない!分からない!」~VIRTUAL SONGER KAF -ある少女の可能性の物語- より~

バーチャル世界の自分と、高校に通っている普通の「自分」。どちらも自分で、どっちかが自分じゃないって事はない。

ライブに先立って「他人からの評価を気にしすぎてる、他人の評価に頼り切ることはよくない」と言っていた。年の若さに似合わない大成した考え方である。

花譜ちゃんの考えや表情を見てると、若い頃の私に似ているなぁと共感することもあれば、鋭い思考が刺さって尊敬してしまう時もある。

そんな一人の女の子の物語を、今日も観測する。

今日から変えるよ

音楽で世界を変えるという魔法。

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そう、あの反復横跳びのような独特のステップと、高音でもブレない澄んだ歌声と、青を基調とした衣装。
蒼い目と桜色の髪で、一人の少女が歌っていた。
私は、これが観たかった。待っていた。世界を変えてくれと願っていた。

ライブ配信は4万人以上が見ていた。多くの人が待っていたに違いない。あの姿に誰もが魅了されたに違いない。
全ての人が「まほう」にかかってしまうに違いない。

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最初のオリジナル3曲はテンポを上げてアレンジ多めにし、観客の心をつかんだ。原曲は静かな曲たちだが、アレンジのおかげでのめり込み易い。
続く「わたしのすきなうたをうたうよ」はロック調3曲とバラード調1曲を披露し、観客の度肝を抜いた。あんな早口で噛まずに歌えるの凄くない?

↓たすかるお水シーン

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MCを挟んで理芽お姉ちゃんが登場してくれた。2人並ぶと花譜ちゃんの背の低さが目立ってしまう。2人で濃いめの「食虫植物」を披露しました。
理芽お姉ちゃんもONE-MAN LIVEが決定したというビッグなお知らせもあった・・・とにかく2人のやり取りと空気感が面白いので好き。

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音楽的同位体の可不とのデュエットを披露したね。なんだか不思議な感じがする。自分自身とデュエットしてる感じなのだろうか。動きが似通っているように演出しているのは素晴らしい試みだと思う。
明日3月14日から可不の予約が開始されるとのこと。CeVIOは扱いやすいイメージがあるので、検討してみようかな・・・

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「御伽噺」というのは神椿STUDIOのメンバーで送るストーリーなのだが、神椿の世界観がちょっと不穏で、ライブの度に見てはおっかなびっくりしている。今回は御伽噺からオリジナル曲「景色」を歌いあげたが、雰囲気もしっかりしっとりフィットしていて好きだ。

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後半戦はアルバム「魔法」よりアレンジした楽曲を披露した。

「花女」は聴いた時に彼女の感情の流入量の多さに衝撃を受けたが、今夜また大きな衝撃を受けた。明るい曲調でありつつも心がぐちゃぐちゃにかき乱される表現は凄まじい。

「畢生よ」これも私の好きな曲だ。畢生という言葉を知らなかったのだが「人間の一生」という意味があるそうだ。歌詞の内容はカンザキイオリさんらしい、心に突き刺さる。「愛すべきものたちを愛すべきと気づいた」と歌詞にあるのだが、若い時から大人になるにつれて「気づく」という流れが心に響いてくる。

ラストは「戸惑いテレパシー」。さすがの表現力の高さだ。感想を考える間もなく聞きほれていた。
激流が通りすぎていくような感情の入れ方、流れていけばスッと消え去る。花譜の歌声にはそういう所がある。だから何度でも聴きたくなるのだ。

それは魔法だ。世界を変えてしまう魔法なのだ。彼女の歌声を聴くだけで、誰もが変わってしまう。花譜は、魔女だ。

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最後のステージは「魔女」
素晴らしいアレンジと、2年前とは全く進化した歌唱力だ。あの頃の力を入れれば崩れてしまいそうな歌声ではない。筋肉質で力強く、しかしながら目を離したら飛び去ってしまうような繊細さ、この歌声は心から尊敬に値する。

最後に神椿のメンバーが怒涛の勢いで歌っていく感じも感動した。「まほう」「祭壇」「言霊」は神椿の精神がいっぱい詰まった曲たちだと思う。新曲の「電脳」も。
私たちの世界に彼女のような「魔女」たちが居てくれる事が嬉しい。生まれてきてくれてありがとう、生まれてきて良かった、と思う。

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音楽の力・言霊の愛というのは「本当にある」という事に気付かされる。そこにある。もしそれが「仮想世界」のものだったら、この画面を通して伝わってくる気持ちが嘘になってしまう。彼女たちが歌を通して伝えてくる気持ちの全てが、本当に本当の「魔法」なのだ。

明日起きたら。魔法が解けてしまうかもしれないけれど、今日だけは魔法にかかった一人として、人生を送っていこう。最後の彼女の言葉を借りて、生きていこう。



インターネットを渡り歩いてまだ6年、色々なカテゴリを楽しみ、「消費者」として生きています。 そんな文化の消費者の毎日思ったことアレコレを書いていきます。雑記。