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WoTの「100戦の壁」問題を考える

100戦の壁というのは、3優等を取るために100戦を超えると苦しくなってくる、という話ではない。総戦闘数の話だ。

私がWoTを始めたのは2016年で、その頃はガルパンの劇場版が公開された頃で、WoTコラボもやっていた。私はアニメから入った勢力だ。当時は一緒に始めた仲間も居たので、1000戦くらいまでは容易に進める事が出来た。

WoTは何処からが初心者卒業と言われるのだろうか。
一番多くの人が言う3000戦くらいから、多く言う人では1万戦を初心者卒業の壁とする人もいる。
もし1戦を6分とするなら、1万戦の戦闘時間はおおよそ1000時間ほどになる。これはガレージにいる時間は含まない。含めると1500時間以上に到達してしまうだろう。1日8時間くらいプレイして、1年で到達できるかできないかくらいである。
例えばSteamであるゲームをピックアップして1000時間プレイしてレビューを書いたら、おそらく相当頼りになるレビュアーとして認識されるはずである。

WoTというのはそれほどまでに奥行のある重たいゲームであり、日常生活を侵食するレベルでプレイしなければならないのだ。

さらに言えば、1万戦を超えた人がよく言うことで「もはやゲームが楽しくない、これは義務である。仕事である。」というような事を言っている人を見かける。私も同じことを思っている。
これは当たり前の話で、1万戦を超えるレベルまでゲームに投資した時間を考えれば、もはや後戻りはできない地帯まで到達しており、課金額も相当な量になり、所属しているコミュニティというしがらみも増え、簡単に「WoT引退します」と言えるような状況ではなくなっているのだ。

ここまで見てきて分かるように1万戦プレイヤーというのは明らかなヘビーユーザーだ。もはや仕事中も勉強中も「帰ったらWoTしなきゃ」と考えているに違いない。1つのゲームを1000時間以上プレイするっていうのはそういうことである。初心者という事は難しいだろう。

これが私の定義する第一の壁「楽しくなくなる1万戦の壁」だ。この壁以降、WoTのコミュニティに参加したりして、別のゲームをプレイしてはWoTに戻ったり、ツイッター等のプロフィール欄に「WoT引退しますた」など書き込んだり、結局「引退しました」と言っても不定期でプレイしたりしている。1万戦を超えると、完全にWoTから離れるのは難しくなる。と思う。

私は、多くのプレイヤーが「どの場面でWoTを止めているのか」という事をゆっくり思案している。

私がランダム戦を最も経験しているTier6層では、1000戦~2万戦くらいのプレイヤーが目立つように思う。つまり上から下まで幅広く存在している。
Tier6までに必要な経験値はチュートリアルで飛ばせるツリー車両も含めて7万ほどだ。1戦で得られる経験値の平均を300くらいと想定すると、233戦でTier6に到達できる。実際はもっと色々な戦車にも乗るだろうからTier6まで1000戦というのは大体合っているのだろう。
この1000戦のプレイ時間は、先ほどの1戦6分という計算に当てはめると100時間ほどになる。おそらく50~100時間ほどでTier6にたどりつけるのだ。学生なら夏休みに1週間根気よくプレイすれば、Tier6は1両くらい作る事ができるだろう。

Tier5~6辺りから、ユニカムと言われるスーパープレイヤーや、私のように気軽にTier6に乗る害悪中級プレイヤーが増え始める。何も知らない1000戦以下の初心者は一瞬で殺されるか、チャットで「noob」と言われる機会も増え、心が折れてしまう。

そこで、Tier6に乗ることができても、投資した時間や課金の少なさから「もうやめるか」と考え、別のゲームに移っていくのではないだろうか。あるいはアカウントだけ持っておくという状態になり、アンインストールしたりして別のゲームのためにストレージの容量を空けておくという考えを持つのだろう。

WoT初心者のブログなんかを見ていると(昔の記事だが)「味方から暴言を言われてやる気をなくした」とか「どうやったら勝てるようになるか全く分からない」などの記事が目につく。Youtubeで1000戦以下のプレイヤーの配信を見ていると「どうすればいいの~~~」と困っているプレイヤーも多いように感じる。

このようにして心が折れ、1000戦前後でWoTから離れていく。これを「心が折れる1000戦の壁」と定義する。

しかし、ここまでは氷山の一角だと思った。なぜなら今までの「壁」はTwitterなどのSNSやブログサイト、Youtubeなどでよく見る光景だからだ。発信するプレイヤーの多くは悩みを共有する仲間をある程度持ち、ときおり愚痴を言いあったりして、誰かと一緒に壁を乗り越えていく。

しかし一人で何も知らずにWoTを始めた場合はどうだろう。私はTier2~4の低Tier帯も稀にプレイするが、多くの場合は私に瞬殺されて消えてしまう。いわゆる初心者狩りで、褒められたものではない。しかし、このゲームにはレーティング制限がなく、初心者狩りも本物の初心者も同じマッチングに入れられてしまう。低TierはHPと装甲が薄く打たれ弱いため、一瞬で溶けてしまうのだ。今は入門者マッチングがあるため緩和されていると思うが、もし私がWoTを始めたばかりの時に訳も分からず瞬殺されたら「このゲームは楽しくない」となって辞めてしまうだろう。
これを「一瞬でゲームを止める100戦の壁」と定義する。

この一瞬でゲームを止めてしまう人たちは、今までの壁と違い、誰かのせいで止めていく。
ゲームをやめられない1万戦の壁も、強くなれない1000戦の壁も、自分が上達したり、精神的に強くなったりして緩和することができる。壁は自分のちからで打破できる。しかもWoTのコミュニティの歴史は長く、多くの上級者たちがブログや動画で「うまくなる方法」を紹介したり、一緒にゲームしようと声を掛け合ったりして、壁を突破する道しるべを作ってくれている。
一方で100戦せずにゲームを止めていく層は、そうしたコミュニティの繋がりも見つけられず、一瞬で止めてしまう。

実は、私はこの100戦の壁で止めてしまう層こそ、一番ケアが必要なのではないかと考えているのだ。コミュニティに所属せず、課金もせず、何も生み出さないように見えるが、もしケアが入れば、その先の壁は自力で打破できるのではないか。つまり100戦で躓く人を見つけ、一緒になって問題を解決するシステムを構築できれば、WoTのプレイヤー人口は増え、コミュニティの活力は増していくのでは、と考えているのだ。

WoTで初心者を見つけるのは年々難しくなっている。それだけ敷居の高いゲームであり、難解なシステムを持っている。もし「1戦でも良いからやってみようかな」というプレイヤー層を「WoTは難しいけど楽しい」と思わせることができれば、WoTの敷居は少し下がり、より活発なゲームになっていくだろう。

私の企画するユーザーイベントが、ほとんど低Tierで行われるのはこの為である。敷居をなるべく低くすると共に、難解なルールを設けず、上級者と初心者の交流の機会を増やす。これによりコミュニティを少しずつ攪拌する。
これがたまむしの企画するユーザーイベントの骨子である。

最近は配信者との交流も優先していることもあり、初心者と言える人の参加は少ない傾向にあるが、初心者でも気軽に楽しめるイベントを目指して、今後も努力していくつもりだ。

もしこの記事を読んだ方で、知り合いがWoTをはじめたばかりで友達を欲しがっているという声を聞いたり、初心者の発掘を手伝っていたりする人がいれば、ぜひ私まで声をかけてほしい。
また、次のイベントはイギリスTier2まで研究が終わっていれば1万クレジットほどで用意することができるので、そのことも含めて広めてほしい。

長くなったが今日はここまで
最後まで読んでくれてありがとう。

インターネットを渡り歩いてまだ6年、色々なカテゴリを楽しみ、「消費者」として生きています。 そんな文化の消費者の毎日思ったことアレコレを書いていきます。雑記。