見出し画像

2018.10.14 町田vs大分 @町田市立陸上競技場

始めて、大分トリニータの試合を見に行ったのが、2015年11月29日。町田市陸上競技場で行われたJ2,J3の入れ替え戦でした。それまでは「なんとなく好き」程度でしかなかった大分トリニータが、J3降格という危機的状況に陥ったことで自分の中で火がつきました。折しもその前日に観戦したチャンピオンシップで、浦和レッズはガンバ大阪に敗戦。勝ち点差9も少ないガンバに年間2位の座を譲り渡す屈辱を味わった直後というタイミング。おそらくその日、アウエーブースに訪れた中では最も縁起でもない人物として、《天空の城》、野津田に乗り込みました。そして、その時の結果は…

それから月日は流れ、次に野津田を訪れる時が、J1昇格のかかった上位対決になろうとは、誰が予測し得たでしょうか。前節に松本山雅から首位を奪回した大分と、J1ライセンスを獲得できず、順位を問わずJ1昇格の目がないにも関わらず、消化試合数2も少ないながら勝ち点差4の《隠れ首位》、町田との6ポイントゲームです。

「登山」とか「竜の巣の中」とか言われるほどのアクセスの悪さで、集客は苦戦続きの町田ですが、スタジアム周りのイベントブースは賑わっています。

名物コンフィ。食べてみましたが、あっさり味した味付けですがジューシーという独特の味で美味でした。同じく名物のYASSカレーは長蛇の列。

この日は、平畠さんがサイン会をしていました。既にこの本、買っちゃってたので、サインしてもらえず(涙

この日は、高知県内で行われている幕末維新博の紹介イベントが行われていました。明治時代、民権運動発祥の地とも言われる町田市、幕末維新の関係での招待だったのでしょうか。QRコードを利用したアンケートに答えると景品がもらえたのですが、これがなかなかちゃんとしたものばかりでビックリ。私は坂本龍馬のサインがデザインされたボールペンをゲット。気前がいいぞ高知県。

他にも色々興味深いものはあったのですが、競技場周辺の風景を写真に収めたりしていうる間にほとんど売り切れてしまいました。うーん失敗。

試合開始20分前に入場すると、アウェイ自由席は大勢の入り。見つけた座席はなんと最前列。最前列といえば聞こえはいいですが、傾斜も高低差もほとんどない座席で、陸上トラックの先に見えるフィールドはほぼ真っ平ら。フォーメーションどころか距離感すらほぼ掴めません。

こんなですから。

もはや経験と勘と気合いで試合の全体像を把握せねばならない、という覚悟の上で選手を迎えます。

お互い、この試合の重要性を知っているもの同士。試合開始早々から最高潮の気迫で、双方がぶつかり合います。サイドアタックとサイドチェンジを織り交ぜて相手DFのスペースを広げ、その間隙を狙い多方向から続々と攻撃陣がエリア内に侵入する大分と、狭い局面に人数をかけ小気味好くパスをつなぎ、一点突破でゴールに向かう町田。スタイルは違えど攻撃的なスタイルを前面に押し出したアグレッシブなサッカーが交錯する中、先制したのは町田でした。裏をかいたショートコーナーからの、ロメロフランクのミドルシュート。

しかし、大分も負けていません。相手の高いラインの裏を狙ったパスが効いて小手川、馬場の得点。次第に大分はポゼッションで優位に立ち、さらに点差を広げるチャンスもあったのですが、前半終了近くに、やはりセットプレーの流れから、中島の同点弾を浴びてしまいます。

ここで同点にされたのが、この試合の大きなポイントになりました。首位にいるとはいえ、試合数で2つ少ない大分はやはり勝ちが欲しい。一方で町田は負けることで、自力優勝消滅となることだけは絶対に避けなくてはならない。

後半の町田は、守備ラインを下げて、カウンター狙いの意図を強めます。前線までの距離が遠ざかることで、組織だった攻撃はしにくくなりますが、この日の町田には、冴え渡るセットプレーという必殺技がありました。58分の鈴木のシュートはハンドの判定で幻のゴールとなりましたが(これは反対側のゴール裏から状況がわかる人はおそらく一人もいなかった)、そのすぐ後にフランクが、この日2点目の逆転弾。いずれもがセットプレーから流れの中でのゴールでした。

大分は試合が進むにつれて、パスの精度が落ちて行きます。焦りもある上に、前半で有効だった長目のスルーパスが忘れられず、相手の戦術変更で効果薄になってもなお安易に頼るようになり、厚い攻撃ができません。前線の選手交代で運動量こそは保ちますが、ゴール前を分厚くして守る町田守備陣を破ることは叶わず。23節アウエー大宮戦、あるいは30節ホーム徳島戦と似たような展開に持ち込まれます。

事実上、劣勢終盤時などのパワープレー要員が欠けている現行の大分では、このような展開になると完全に手詰まりとなります。隙間なく埋められたゴール前のスペースを、なんとか広げようとパスを横に回しているうちに相手に引っかかり、カウンターに冷や汗をかく…

選手も応援している側もやるせない気持ちのまま、タイムアップ。

痛い、あまりに痛い敗戦です。

項垂れる選手たち。サポーターは最大限の拍手と声援で迎えました。

落ち込んだ帰り道、混雑するスタジアムからの直行バスを避けて、路線バスの停留所まで歩きます。

怖い。

停留所に着くとすぐにやってきた町田行きのバスに乗車したのですが、町田と名がつく駅に向かうのが途中で悔しくなったので(苦笑)、スマホで地図を確認し、バスの進行途中で、町田の一つ手前の駅古淵駅の2キロ近く、最寄りのバス停で衝動的に下車、トボトボと道を進みます。

その途中で奇跡の出会い(笑)

この敗戦で大分は同日勝利した松本に再度首位を明け渡し、そして本日、町田が山口に勝利したことで3位まで後退。しかも町田は大分松本より1試合多く残している状況です。4位以下も勝ち点64、63に4チームがひしめいている大混戦、難敵ぞろいの残り5試合で、一つの負けが致命傷となる、極めて厳しい状況に追い込まれました。

しかし、この修羅場を切り抜けてこそ、J1で戦うにふさわしいチームというべきもの!大分のサッカーはJ1でも十分に通用するサッカーだと信じています。それを貫き、堂々とJ2優勝、自動昇格で今シーズンを終えるはずと今は信じ、次節は大の苦手、ジェフ千葉の、それもアウエー戦に挑むほかはありません。

ちなみに、この試合で町田のGKはオレンジ色のユニを着ていたのですが、私の後ろで座っていた、小学生低学年くらいの男の子が、盛んに「若林くんだ、若林くんだ、でも帽子かぶってない」と言っていました。深夜枠で現在放送されているアニメの「キャプテン翼」、お父さんが録画しておいて子供と一緒に見てる、という話は聞いていたのですが、本当だったんですね(苦笑)。今の子供もキャプ翼を楽しんで見ているというのは、世代の人間からすれば嬉しいものです。同世代であろうお父さんも「でもあの服アディダスじゃないよ」とツッコんでいましたし(笑)

競技場周辺ではススキの穂が伸びていました。

更新は不定期ですので、気長に待っていただけると幸いです。Jリーグのサポーターの方はどこのチームでも大歓迎。煽り合いではなくゆるいノリで楽しめたらいいなと思っています。