ネコ

疲れた捨て猫が、ふらつきながらも
まだ真っ直ぐ歩こうとしている。

倒れる事が出来ない、その猫を
顔見知りの男が「お前が1人なら、俺が看取るよ」と言った。 

しかし、それはあまりにも身勝手な情だった。
猫を手懐ける 上等文句だ。
懐いた悲しい猫は 離れる事が難しい。
だけど本当の愛情を知っている猫は
ちゃんと愛のある居場所を探す。

猫が甘えたり鳴くと、男は餌を与えず猫の前から何日も姿を消す。

疲れた猫は、色んな人間と交流してみた。

「本物の愛」を探しながら。