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11歩目『農家の裏側に潜む現実』

こんにちは、たまラボです。
前回まで砂糖の話や旨味の話、ファストフードの話など食にまつわる話を様々な角度からお話してきました。
ここで卵の話に戻って“養鶏”のお話をしていきたいと思います。

これまでに、鶏の飼育方法や餌にはそれぞれ農家の思いがあるというお話をしましたが…
養鶏をはじめとする多くの農家は、大企業が力を握っているのです。
個人農家が、自分の手でよく育つように改良した種子も、大企業の手によって搾取されてしまうのが現実です。
大きな企業が農業の仕組み全体を操作できるようになってしまうと、個人農家のこだわりや意向が全て無視されてしまいます。

スーパーで売られている卵を見てもわかるように、大企業が安く販売している実態があります。そのため小さな養鶏場が生き残るには、大企業との契約がほぼ必要不可欠なのです。
大企業と契約をする上で、まず小さな養鶏場に課せられるのは大きな養鶏場や大型機械の導入です。それらの借金を背負いながら、卵や鶏の利益で返済していきます。
しかし、大型機械や大きな養鶏場となると、借金の返済が生産に追いつかず、個人農家は厳しい生活に追い込まれてしまうのです。

それはもはや、大企業が卵などの作物を所有し、子会社はそれについていかざるをえないということ。
これが事実であることがとても残念です。

大企業はどの作物においても生産力を上げるために薬品を使用したり、地球、そして人に優しくない方法で農業を進めます。
一方で個人農家の生産を見ていくと、飼料や水にこだわりを持つ農家や鶏の健康を第一に考える農家など、必ずと言っていいほど一人一人のこだわりが見えてきます。

一体どちらが『効率の良い生産』と言えるのでしょうか。
地球環境や労働条件を全く考えずにひたすら生産し続け、より多くの利益を出すことが必ずしも”効率的”と言えるのでしょうか。

食品企業に潜む闇は私たちが思っている以上に深刻で、現実として受け入れがたいものばかりです。
しかしこの事実を私たち消費者が知ることが、私たち自身の「より良い消費」につながると信じ、もっとたくさんの人にこのことを知っていただきたいと思っています。