今週読んだなろう小説たち 30-1

気がつけばもう30週も感想書いてるの!?と、タイトルをつけてびっくりした。

色んなジャンルを手広く読むと言うより、自分の少女漫画脳にクリティカルヒットする作品を見つけるために読んでるので、だいぶ色々偏っているとは思うのですが、やっぱり「うわー、ツボ!!めちゃくちゃ好き!!」って思える作品に出会えると心がかなり満たされるのでまだまだ探し続けたい。

今週は少し少なめかも?区切りがいいので、次週はこれまで読んだ作品の中でオススメをピックアップ出来たらいいなぁ、と思っています。

では、ネタバレ含むあらすじと感想を投下します。★印は好きだった作品です。



・婚約破棄されるわけにはまいりませんので ★

侯爵家の庶子メリルは日陰で暮らしていたが、「完璧な王子」と名高いゼクスと婚約する事になった。しかしゼクスはメリルにだけ陰で嫌味や冷たい態度を取り婚約破棄させようとしてくる。婚約破棄されるわけにはいかないメリルはゼクスと攻防戦を繰り広げる。

メリルの前世であるメイナを裏切った記憶があるゼクスが、彼女と幸せになるわけには行かないけど、彼女に瑕疵がある状態では婚約破棄ができないと思い冷たい態度取るのに、いざとなるとメリルを助けてしまう矛盾。それを面と向かって指摘し、メイナではなく自分を見ろと言えるメリルがとても魅力的だった。

メリルが精神的に強く、ふてぶてしいくらいの前向きな精神でメイナとは全然違う。メイナとゼノではなく、あくまでメリルとゼクスとして今世を生きて行くんだっていうのが良い。記憶があったとしても今世は前世の続きではないと言うメリルの強い意思がゼクスの妄執を断ち切り、今度はゼクスが婚約破棄されるわけにはいかないからメリルを自分に惚れさせるって言うオチもよかった。

前世もの好きだけど今世が前世の続き、みたいのはあまり好きではないので、今回のお話みたいな前世へのケリの付け方はめっちゃ好みでした。



・政略結婚に愛を求めてはいけません ★

数合わせで参加した王太子妃候補選出のお茶会で、王太子の婚約者になってしまったマタン。「政略結婚」の意味に気付いてしまったマタンはユージーン殿下のためにも自分のためにもある確約を提示する。

甘いものが好きでマイペースで素直で天然だけど勉強はしっかりする真面目なマタンが可愛い。政略結婚じゃないならユージーンを好きになってもいいのか?って純粋に聞くのとかめちゃくちゃ愛い。しかし実は政略的な意味の強い結婚でユージーンはマタンに執着に近い想いを抱いているのが病んでていい。

むしろその後のお話を具体的に読みたい。子供たくさん作っておきながら、自分との時間を邪魔する子供達をどんどん外の国へ追いやっていくユージーン。政略結婚に愛を求めたがゆえ、マタン1人でユージーンの愛と欲を受け止めなければいけないっていうのは負担よね。マタンが気にしなければいいんだろうが。マタンはなんかおかしいなぁと思いつつ受け入れちゃってそう。しかし14人って凄いな。



・運命の恋人は期限付き ★

画商の仕事をしているフィオナは地味顔男爵家令嬢。同じく男爵家三男で幼馴染のノーマンとの縁談が秘密裡に上がってることを知るが、将来は叔父と仕事で外国に行きたいと思っており彼の事も友達としか思えないためなんとか縁談を回避したかった。そんな時参加した夜会で恋愛も結婚も後向きな伯爵家嫡男ジャイルズと知り合い、縁談避けのため2人はシーズン中だけの期限付きの恋人を装う事になる。

めちゃくちゃときめいた〜!!まずジャイルズが結局ほぼほぼ一目惚れというか最初からフィオナのことが特別なのがいい。恋人を「装ってる」ってテイなのに、スキンシップ多めだし悋気バリバリなのは天然な感じがね、堪らんのです。元々スペックが高いのにどこか諦念していて物事を冷めて捉えて良くも悪くも"貴族的"だったジャイルズが、フィオナと出会い生き生きと"自分らしく"過ごしているフィオナの姿にどんどん惹かれてジャイルズ自身も変わっていくのが良い。

フィオナはジャイルズに惹かれていく事にめちゃくちゃ頑張ってストッパーをかけていて、ジャイルズは全く以って無自覚に恋してるって差もいい。しかしジャイルズの恋心はルドルフにすらバレバレなのに、無自覚ゆえ一緒にいるための覚悟や力や準備が足りないとお父さんとレジナルドに同じ事言われてる。

ジャイルズが好きになったのは飽くまで貴族令嬢の枠に囚われずに自分らしく生きるフィオナで。既存の伯爵家の奥方として収まる事は、鳥のように自由な彼女の翼を捥ぐ事だと理解しているジャイルズが選んだのが、自分の妻になってもフィオナがフィオナらしくいられるジャイルズとその周りの環境作りって言うのも良い。フィオナにとってもジャイルズは家族以外でフィオナの仕事や好きなことに夢中になる自分のよき理解者であるから当然好きになっちゃうけど、自分のやりたい事とジャイルズを天秤に載せた時に、やはりそもそも身分的に釣り合わないってところが大きくて。ミランダやヘイワード侯爵夫人と懇意にしてもそれは自分の力で得た物ではない、自分の力でジャイルズと釣り合いたいって思う強さがよい。

いつも1人駆け出して行くフィオナの隣にいるために2年努力をし、お父さんとレジナルドに指摘された一緒にいるための覚悟と力と準備をしたジャイルズは冷徹貴公子などと渾名されたけど、その中身は実は情熱的なんだなぁ。お父さんと一緒だね!

徹頭徹尾リチャードのアシストが良かった。彼がいたからこの話がスタートしたからなぁ。リチャードが好きになる女性はどんな人か気になる。ゴードンは生きて、いつかフィオナの力で集められたポアレの絵たちを見て、自分が愛されて生まれて生きている命だと理解出来たらいいね。そこからゴードンがフィオナに惚れて、ジャイルズvsゴードンになったらそれはそれで面白そう。



・捨てられ令嬢は錬金術師になりました。稼いだお金で奴隷剣士を購入します。 ★

自称美少女錬金術師のクロエは元公爵家令嬢。3年前に異母妹により父の悪事が暴かれ父は処刑され、クロエは王太子との婚約破棄の上、着の身着のまま王都に打ち捨てられた。クロエは唯一信用できるお金で奴隷闘技場から敵国の元将軍で黒太子と呼ばれていた残虐非道と名高いジュリアスを錬金術の素材集めの護衛として買った。

公爵家令嬢だった時はことなかれで流されて、自分の意見も言えずにいたクロエが、3年間で生きていく術を身につけ、最初は父の所業で責められていたにも関わらず王都の街の人から一目置かれるようになった、その頑張りがまず良い。まだ心の底からは無理でも自己肯定を上げる言葉を自分にかける健気さも心打たれる。

奴隷として買ったはずなのにジュリアスの方が立場が上なあべこべな関係性もなんだか微笑ましい。言葉や態度はぞんざいなのに、実はジュリアスが最初からクロエを可愛いって思ってて声も好きで触れたい、天使だって思っているというギャップも堪らん。やきもち焼なのもかわいい。奴隷として自分をクロエに束縛させたいって願うのもよい。恋愛感情としては自覚してないけど、めちゃくちゃクロエのこと好きなのな。両想いなので早く手出してください。

一応完結になってるけど、お父さんがラシード神聖国と通じていた事(多分セラフィム=セレスティア=クロエの母で、メフィストがお父さんとクロエに直接手を出せなかったのはお母さんが天使だったからだろうな)の伏線回収や、ジュリアスの過去の因果、メフィストとの決着など解決していないことがたくさんあるし、作者様も二部以降もあると仰ってるので続編期待しています!


読んだ作品数は少ないけど、どれも面白い作品で満足度高かったです!来週もちょっと作品数減っちゃうかも?あといい加減確定申告やらなければ…。めんどくさいよう。





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