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スキビについて語るの巻 その2

前回からの続きです。

花とゆめ連載中のスキビについて、状況や人物たちの心理について思ったことを、自分の言葉で整理するために書きます。ネタバレがっつりです。

読まれていて「その解釈は違う!」と思うことがあっても、「まぁ、環って人はそう考えてるのね〜」って感じで適当にスルーくだされば、と思います。


ではでは。


キョーコが「お芝居」するということ。

松内瑠璃子との演技勝負の際、蓮に「演技させられた」ことをきっかけに芝居に興味を持ち、CM、PV、連ドラとステップアップをしていくキョーコ。
今まで自分が培ってきた諸々のスキルが、常に自分以外の誰かのためで自分自身が望んだものではない=自分という人間が空っぽとだと気付く。だからこそ自分が初めて望んだ「演技をしたい」という気持ちを大切に育てる事を決める。
経験はないが底知れぬ秘めた才能を持ちつつ、好きな役しか受け付けないという役柄に対する偏食が壁。でもこれも克服しつつあるのよね。

母に愛されなかった過去、尚に捨てられた辛さ、叶うことはないけれど大切に育てると決めた蓮への想い、それらを糧にして自分の演技に活かしていく事を社長に諭される。報われない想いを知る自分こそ、紅葉を一番リアルに演じられると思うまでに成長。蓮への苦しい恋心すら演技の栄養にするのだ。

キョーコの演技については、役作りに壁があっても絶対乗り越えられるという確信があるのでそんなに心配してないのですが、BOX"R"の顔合わせ遅刻や泥中の蓮のオーディションの時みたいな、思考がトリップしてプライベートと仕事の切り分けがうまく出来ないことがまた起きるのでは?と言うのが不安で仕方ない。
これ、蓮vsセドリック(次回以降、後述予定)の時にキョーコがやらかす予感があるのですわ。当たらないで欲しい。いや泥中のこれからの撮影でもやらかす可能性ありな気も。現場に私情を持ち込まず、蓮の言葉を胸に刻んでプライベートに何があったとしてもブレないで現場で演技してください!と切実に思うわけです。


冴菜との蟠り解消きっかけターンについて。

冴菜が自分を愛していないどころか存在自体をなかった事にしている事を知り絶望したキョーコ。心配で深夜にも関わらず訪ねてきた松太郎の気遣いには全く心が動かなかったのに、コーンの胸で号泣し蓮と認識したら浮上して、冴菜に突撃して真正面から馬鹿正直に向き合うことを決める。蓮の威力。
(これ、昔は泣いてるキョーコを浮上させる役割が松太郎の話題だったのに、今や蓮がそこにいるだけで浮上できるようになってるのもときめきポイントよね)

「愛されないだけじゃなく自分という存在そのものを認めて貰えないと分かっていても、愛されたい・認めて欲しいと願ってしまう。だからいっそその気持ちを諦めてしまえれば楽なのに、それが出来なくて辛い」から
「今は愛されなくても認められなくても、前を向いて芝居に邁進し日本を代表する女優になり、冴菜の血が流れるキョーコを冴菜が誇りに思えた時「よくやった」って頭を撫でて欲しい」
とキョーコ的答えを出せたの、これ凄いよね。
キョーコが叶える野望が、冴菜の過去を冴菜自身が許すきっかけになるかも知れない。

母親にとって自分という存在そのものが過去の汚点。
冴菜は中絶したかったのにタイムリミット迎えてしまい、キョーコを身籠ったまま自殺未遂までし、生まれても抱くことすら拒否。物理的に距離を置かないと暴言だけじゃなく手を出してしまいそうだった、なんて重量級のダークな過去。でもその過去を知ったからこそ、今までの冴菜の態度が腑に落ちたんだろうね。

冴菜はキョーコという人格が憎いというより、キョーコの中に冴菜自身の過ちや後悔や思慮の浅さや愚かさを見てしまってる。しかもキョーコと違って相手の事を恨んでおらず、飽くまでも冴菜自身の浅はかさが原因だと思って自身を許せず責め続けていることを知ったら、冴菜の事を憎めないし、やっぱり愛されたいと望んでしまう。

今はキョーコに冴菜自身の澱みを重ねてしまっていても、キョーコ自身が人間として女優として成長し、冴菜が真似できない「何か」を成し遂げたら「キョーコに自分(冴菜)の血が流れている」と言う冴菜の誇りになって欲しい、母親の望むキョーコではなく自分が望むキョーコを認めて欲しい、冴菜の過ちをキョーコを通して冴菜が赦せる(というと安っぽいけど)ように、なんて流れに持ってくって、仲村先生、凄すぎます…。

自分の過去の言動があるので、「可愛いと思った事が無いわけでない(愛おしいと思う気持ちもある)」という気持ちを安易にキョーコに言わない冴菜さんは、面倒くさいけど誠実よね。

冴菜さん、本当ラブミー部員要素しかないね!藤堂さんにネチネチアプローチされ続けて、キョーコをそして自分を認めた暁にはちょっとだけ藤堂さんに堕ちて欲しい。

ってまた読んでて伏線?と思しきものが。Act.229にある「私の知らない過去の片鱗には、まだ現在の私へと形を変えられないまま真っ白な一片が」「その一片が色がつき…」って冴菜の過去だけじゃなく、コーン=蓮だと分かる時の事も示してるよね。気付くの遅…!!「それが人様の傷口開く事」も、蓮から聞くであろうコーンのダークな過去を示唆してるよね、多分。


ふう。

読み返すたびに、色々発見があったり考えたりしてしまう。多分まだスルーしている伏線とかもあるんだろうなぁ。

次回は蓮について。


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