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姫ものがたり語り・巻3 -ISF10で頒布する徳川まつりの小説を紹介する-

aikoは人生な徳川まつりPのtamakiです。PNはおきあたまきです。

去年の夏に書いてからずっと書いてなかった小説紹介noteその③ですが、今回はPixivに掲載している小説の紹介ではなく、5月28日に開催されるIDOL STAR FESTIV@L10にて頒布する小説本の紹介をしたいと思います。
ありていに言うと…宣伝!です。

弊サークルのお品書きはこちら。

今回は紹介しませんが自カプ(まつり・想楽)のMミリ越境恋愛本もTHE・薄い本として文庫本を作ったのでこれも頒布します。何気に人生初の文庫本なんですよね。恋愛してるまつりは本当に超~~~可愛い!!ので越境恋愛&まつりの男女恋愛に抵抗ない人は是非読んで欲しいです。5作全部書き下ろし!


一度きりの物語

運命の出逢いを信じてる?

頒布日:2023年5月28日
文字数:約19万字
書籍情報:B6・2段組・208P
頒布先:A12 たまてばこ

まつりの付き人となった劇場の新人スタッフ・葵日乃。プロデューサーがいないながらも、まつりは売れっ子のアイドルとして日々を忙しく過ごし、日乃も彼女に強く憧れながら日々を送っていた。
しかしある日、まつりにはプロデューサーの桂木さつきという女性が存在していたことを知る。
二人はどうして別れてしまったのか。
真実に近付いた時、まつりと日乃の日々に変化が訪れる──

一度きりの物語 あらすじ

(追記)
なんか本が届いたらめっちゃあるな…みたいな気持ちになったので自家通販することにしました。紹介読んで気になった方は是非お手に取ってみてください。

(追記その2)
背幅13.6mmだったはずなんですけど、実物見てみたら厚!て思いました。
13.6mmて厚いんだ…。

5周年イベ記録もなんか似たような形で厚さ計ってたな

(追記その3 2023.11.9)

発行から半年近くが経過し、本も完売しておりますので、Pixivに全文再録いたしました。本記事の紹介を読んで気になった方は、是非お読みください。
作者の私が言うのもなんですが……とても!良い作品です!

素晴らしい表紙はてんぱるさんに全部作っていただきました!
小説サークルさんで表紙に悩んだ方は是非てんぱるさんにお願いしてみてください!

表紙フルオーダーの他にも表紙素材の販売やその素材への文字入れ、販売素材からの表紙作成など、とにかく本当に大助かりなサービスを提供してくださってます。自カプの文庫本の表紙もてんぱるさんの素材です。
いつもいつも大感謝です! また依頼します!


さてお話のおはなしへ。
サークルカット等にはこう書いています。
「徳川まつりの最後のプロデューサーのお話」
そのまんまです。そういうお話です。

徳川まつりと、彼女の最後のプロデューサーである女性をめぐる物語です。
まつりと、まつりの付き人になった新人スタッフの日乃ちゃん、この二人が主人公です。19万字の長編です。
全体的にシリアスで切ないですが、最後には明日への希望が抱けるようなお話になっています。
私は朝ドラで生きてる人間なのでこれは信じていいです。

“運命の出逢いを信じてる?”
アイマスにとって定番の、それこそ運命的な言葉ですが、これに弱い方にはおすすめかと思います。

この小説、なんとびっくり、まつりにはプロデューサーがいません。
しかし、付き人としてまつりに付き従い、次第に憧れていく日乃は偶然、まつりに以前プロデューサーがいたことを知ります。プロデューサーからまるで「捨てられた」ように突然別れが訪れたということも…。
どうしてそのプロデューサー・桂木さつきがいなくなったのか、まつりは何故一人でアイドルを続けているのか……。
その真実に近付いた時に物語は大きく動き始め、まつりとさつきの物語が明かされていきます。
そして日乃とまつりの二人はどうなるのか……。
それは是非小説を読んで欲しいところです。

それから、まつりが結構泣きますし、荒れます。
特に後半のクライマックスはかなり荒れてます。普段書いている方の小説でもあんなに荒らしたことはないと記憶しています。
そういう風な人間味のある徳川まつりを読みたい人には是非読んで欲しいところです。

自分の作品を語ることはあんまりしたくない(得意じゃないから)のですが、私は自分の作品で“人間”としての徳川まつりをずっと書いてきているような気がしています。だからこの作品も、まつりの人間らしいところを書けたのではないかなと思います。
一応念のため言っておきますが、私にまつりを貶める意図とかそういうのは全然ないです。こういう書き方で誤解する人もいるかも知れないので念のために書きました。

諦められないもの。信じること。ずっと一緒にいるということ。
プロデューサーとの別れ、アイドルとは、プロデューサーに大事なこととは…など、アイマスというコンテンツ的に踏み込んだ内容を書けたんじゃない…かなあ…と、まだまだアイマス素人ながら思っていますので、沢山の人に読んでもらいたいなと思っています。
サンプルを読んで続きが気になると言う方は、是非手に取って確かめていただけたらと思います。


Pixivに載せてるサンプルを少し抜き出します。

(きれい)
 美しい。その一瞬で、私は彼女に目を奪われていた。きっと心も、あの時にすっかり奪われてしまっていたんだろう。
「はじめまして、『まつり姫』」
 え? と、あまりにも間の抜けた声が彼女に発した第一声だったのが、今になっては悔やまれる。でも彼女は笑うことなく、まるで舞台の上の貴公子みたく優雅な動きで近付いて、そして騎士のように恭しくお辞儀をした。
 そして顔を上げて、再び微笑む。
「あたしが」
 それは、どこか妖艶に。一方でとても清楚に。
「あなたのプロデューサーです」
 お見知りおきを。お姫様。
 言って彼女は微笑をなお深めた。それはそれは満足そうな笑みだったのを覚えている。ぽかんとする私は彼女と比べてひどく滑稽だったろうけれど、気にしていられなかった。それまで重石のようになっていた寂しさと孤独の極まりを忘れてしまうくらいには、彼女の登場は夢よりも唐突かつ衝撃的で、それこそ遠い遠い昔に紡がれた物語のようだった。

 それが、運命の出逢い。
 私の、運命の人。
 私の、生涯でたった一人のナイト様との──桂木さつきちゃんとの出逢いだった。

おきあたまき「一度きりの物語」より

「失踪っていうかー、まつり姫が「捨てられた」って言う方が正しいのかもねー」
 捨てられた。わたしはまたしても、言葉が飛んでいく。
 まつりちゃんが、プロデューサーさんに捨てられた。
「あー、箔付けるならそっちかも。「捨てる」よりもストーリー性あるし」
「そうだね、すんなり納得出来るかも」
「チジョーのモツレっぽいもんねー」
 デキてた説取るならそっちだ、と何が楽しいのか笑って彼女達は言う。
「だとしたらさー、もしかして失踪する前とか、あの二人相当揉めたんじゃない? チジョーのモツレ、なんだし」
「うわーそれなんか、幻滅だわちょっと……」
「まつり姫がそういう生々しいのはなあー……ドラマとか映画ならまだ見れるんだけど」
「しかも旅行先ってのがリアル過ぎるし」
 それー、とまた下卑た笑いが起こった。わたしはただ黙るしか出来なかった。
「あ、でもこれまつり姫の前では絶対言わないようにね」
「言わない言わない、ムリムリ」
「何されるかわかんないもん、怪力とか怖いしー」
「下手したら死ぬかも」
 きゃはは、と最悪な話を楽しげな笑い声で包んでいく。移り気な彼女達はすぐに別の話へと軽やかに話題を変えていった。わたしは何も言えなかったし、言わなかった。
(捨てられ……た)
 確かにそう捉えた方がしっくり来るとは、わたしも感じていた。さつきさんが失踪して、まつりちゃんは一人でアイドル活動をするようになった。これは確かに、対外的に見たら捨てられたと言ってもよかった。でも、そんな言い方はあんまりだとも思う。
 ずっと一人でアイドルをやっていたわけじゃなかった、まつりちゃん。
 一人で立派にアイドルをしていると思って憧れていた、わたし。
 今日初めて名前と存在を知った、もうここにはいない、さつきさん。
 まつりちゃんを置いて、どこかに行ってしまった人。
(……どうして?)

おきあたまき「一度きりの物語」より

「まつりが月から地球に来たとしたら、何が目的?」
 話を振ってもらえたのがすごく嬉しくて、ふふっと笑う。もっちろん、と指を一本ぴんと立てた。
「アイドルになる為! なのです」
 どこで生まれてどう育っても、きっとお姫様とアイドルを目指していた。そう思える揺るぎない想いがあることを知って欲しい。それが上手く伝わったのか、そうだねと言うようにさつきちゃんは笑ってくれた。
「さつきちゃんだったら? さつきちゃんは、どういう理由で地球に来たのです?」
「……決まってる」
 少し、立ち止まる。私を見て彼女は言った。
「ずっとずっと、アイドルでいてくれるアイドルを探す為……だよ」
 最後に見せた微笑は、小さな花が咲いたように見える。
「あたしは、その為に来たんだよ」
 真剣で、だけど優しい眼差しであなたは言う。まるで本当のことのように。
 それはもう叶ってる? 見つけられた? そう問いたかった。
 私があなたの答えになれている?
「……冗談だよ」
 ふ、と笑った。まるで風のようにさりげなく、すり抜けていくような儚い笑みだった。
 さつきちゃんも演技が上手いのですね。昼間だったら、東京だったら、そう笑って言いたかったけれど、そうしたくはない空気感だった。優しいけれど、何か余計なことを言わせない感覚が、私の口をそっと閉ざしていた。
 だからそれ以降、私は何も話しかけることが出来なかった。さつきちゃんも黙って歩を進めた。でもさっき程の焦りや不安はなかった。夜の底の静寂は、私達を優しく包んでいた。

おきあたまき「一度きりの物語」より

自分の作品を紹介するのは本当に慣れないですね。ハイライト画像を作ってTwitterに載せてたりしたので、それも載せてみます。

実はこれ間違いがあります……すみません……
かなり目立つ文章なのに……
かなりクライマックスのセリフを抜き出してきてるんでギリギリ攻めた感じあります。

Pixivには掲載していない部分のサンプルをちょいちょいTwitterに載せてます。

↑これaikoの「17の月」という曲の歌詞を書いたつもりなんですが思い切り間違えました。「思ってた」じゃなくて「祈ってた」です。すまんaiko。桜の木の下に埋まってきます。

ちなみになんですが作者的にはどんな展開が来ても許せる人、何でも許せる人だと安心します。「頼むからこの展開どうか許してくれ」という箇所があるので。

アイマスは勿論、二次創作同人イベントに参加するのも初めてで緊張しています。
そうなんです。関東のイベントに参加するのは2014年のコミティア以来なので9年ぶりなんです。しかも私はこれまでほぼ創作でしかこの手のイベントに出たことがない。もういい歳のオタクなのに同人イベント全くわっから~んです。何もかも。本当に助けてくれ状態です。

なのでお手柔らかに、どうか応援よろしくお願いします。
関東には滅多に行きませんので、よければ気軽に名刺交換しに来てください。お待ちしております。
ちなみにライブ以外で関東行くのは8年ぶり?くらいです。ライブとかイベントだとMのプロミ2021に行ったのですが、それでも2年ぶりです。

あと、物語中には登場しませんが、初めてJASRACに申請してaikoの歌詞を引用しました。aikoに正式に使用料を払って小説を書いたのは初めてです。
aikoファンならぶっちゃけタイトルだけでわかる曲を使っていますが(なのでタイトルなかなか発表出来なかったという)曲自体がほぼネタバレみたいな曲になってるので…読む人はまだ探らないでください。お願いします。

ISF10でお待ちしています。
余ったら何らかの形で自家通販考えてますので、当日会場に来れない方もどうぞよろしくお願いします。

また、他の作品は全てPixivに掲載しています。
主に書いているのはまつりと想楽の恋愛小説ですが、まつり単体でもいろいろ載せていますので興味があったらこちらもよろしくお願いします。

過去に書いた作品紹介noteはこちら。

それでは今回はこれにて。

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