見出し画像

小さな料理教室からはじまった、私たちの夢

こんにちは、TSUMUGIのさよこです。

今年は私たちにとって大きな挑戦の1年となりました。1月にTSUMUGIを創り、紆余曲折いろいろありましたが、本当にたくさんの方の協力のおかげで、自分たちが表現したい形の土台を整えることができました。

関わってくださった皆さんへの感謝を込めて、この1年を振り返り、TSUMUGIにかけた想いとこれからを文章にしてみました。

TSUMUGIは小さな料理教室からはじまりました。

画像1

私の専門は、食事を通して体を整える食養生という考えや知恵を、料理という形で伝えることです。体を丈夫にしたり、予防に役立つ食べ方・調理方法を伝え、個々がセルフケアでき、家族にとって身近なお医者さんとなってもらうことを目標としています。

レッスン後は、教室に集まってくれた友人達と、みんなで作った料理を食べながらそれぞれの近況報告をするのが日課でした。今はまっていること、仕事のこと、恋愛話や、妊娠、出産のことなどなど、それぞれが気になる話題を出し、尽きることがありません。

食卓を囲むこの時間は、私にとって幸せを絵に描いたようなひとときでした。

画像2

できることなら、この先何十年、何の心配もなく、たわいもない話をダラダラして、ヘラヘラ笑っていたい。

みんな健康で、生活に不自由なく、無理もなく幸せに暮らしていく方法はないものか?

共感してくれた友人たちと共に構想して3年、それに近づく理想の形が見えてきました。それが地球にも自分にも無理がない「善い暮らし」を個々が実践していけるようにすることです。

豊かな「食卓」を増やすこと

画像3

私たちの目指す「善い暮らし」とは今注目ワードでもある、持続可能な循環型の暮らし方になります。新しい働き方の提案やサスティナブルな商品の開発など、いろんな角度から多くの人がこの目標に取り組まれています。

その中で、私たちは「食卓」のあり方をテーマに掲げ、そんな暮らしに一歩近づくための提案をしていきたいと思っています。

美味しいごはんは、どこから生まれる?

旬の食材を美味しくいただくことは、心身の健康に繋がっているということ。

食卓を通して、私たちは季節を感じる。
食卓を囲むその時間は、お金で買えない価値となる。
食卓の豊かさは、暮らしの豊かさに繋がっていくことを実感してきました。

けれど、
その食材たちはいったいどこから来るのか?
市場はどのように回っているのか? 

画像4

私たちは料理教室では伝えきれない、その裏側を覗きにいきました。

予測不可能な自然相手に、美味しい素材を生み出してくれる生産者のもとを訪れ、その努力に感銘を受けました。そして、その素材を生み出してくれる大地や海の偉大さに改めて感謝の気持ちも沸きました。

人が健康で豊かに暮らしたければ、地球も健康で豊かな環境でなければなりません。

そんなことを考えた時に、私たちの生活の基盤である「食卓」のまわりには、実は様々な課題があることに気づきました。 

地球温暖化、環境汚染、資源の枯渇、フードロス...

何を食べるか?
誰から買うか?
どうやって食べるか?

私たち消費者の選択と行動が、実は様々な問題に繋がっています。
ですが、誰もがこの課題に取り組みたいと思っていても、一人で向き合うにはあまりにも難しいことです。

一人ではなく、みんなで。
一番身近な「食卓」に少しの変化を。

画像9

だからこそ私たちは、料理教室という枠を越えて、仲間と共に自分にとっての「善い暮らし」を目指す生活共同体(コミュニティ)をはじめることにしました。

ほぼ毎日コンビニのお弁当や外食だった人が週に1度、自炊してみる。
スーパーで値段を見て買い物をしていた人が、ファーマーズマーケットで生産者の顔を見て買うようになる。
お金にばかり頼って生きていた人が自分で食料を作り出すことで新しい生き方を見出すようになる。

それぞれの「食卓」を考え直すことで、自分にも地球にも「善い暮らし」にぐっと近づくのではないか?

なぜなら、「食卓」は、食材を通して人が自然とつながる場所であり、一番身近な自然だからです。そして、家族・恋人・友人… さまざまな人が集いつながる、一番小さな社会でもあります。

だから私たちは、「食卓」から始めたい。

自身の暮らしと向き合うきっかけとなり、それがいつの間にか社会の課題解決への一歩になっていた。私たちはそんなコミュニティを作りたいと考えています。

では、どうすればそれを実現していけるのか?活動していく中で、実際にコミュニティで取り組んでいくべきことが少し見えてきました。

それが共給共足という仕組みです。

共給共足とは

画像5

共給共足とは、それぞれの暮らしに必要な物(食材)を共に生産し、出来た物を共有していくことです。例えば、100人で畑や田んぼ、山など共同管理して、そこで生産できたものは100人で分け合っていく。

その時々によって好作不作はあるかもしれないけど、そんなリスクも共有していく。
自給自足と言うとハードルは高いけれど、共給共足であれば今の暮らしに+αして気軽に挑戦できる。

共給共足を目指していく途中で、普段知ることのない生産の現場に携わることができます。

その一連の流れを身近に体感することで、食べること、消費することに対しての見方が変わり、「自分にも地球にも『善い暮らし』」の実践に繋がると考えています。

みんなで野菜をつくってみて、わかったこと

画像6

まずはじめたのが約1000平米の広さの畑でのco-farmingです。

9月から始めたこの畑では、素人が失敗しやすい落とし穴にはまり、発芽率が低かったり、イノシシに荒らされたり、台風や気候の不安定が原因でうまく成長しなかったりと、自然と向き合うリアルな体験を共有しています。

それでも、野菜達は強く、形は小さかったり、不揃いだけどちゃんと成長し、それを収穫し、食べた時の感動は簡単に言葉では表現できないものでした。

これから目指したいこと
 ~ 3.5%の共給共足 と 場づくりで輪を広げる~

画像7

TSUMUGIではこの原体験を多くの仲間と共有し、大切にしていきたいと考え、来年には千葉で田んぼを、都内では屋上のハーブ園を、そして葉山にもうひとつの畑を共同で運営していく予定です。

共給共足で100%の食量をまかなっていくことは難しいのですが、今後は私たち1人が年間で消費していると言われる平均消費食量(※約500kg)の3.5%の食材を自分たちで供給できるようパートナーの生産者さん、メンバーと共に目指していきたいと思っています。

そして、来年にはこれまでのコミュニティにはなかったリアルの場作りに向けて、クラウドファンディングにも挑戦したいと考えています。

ここのお話をすると長くなってしまうので、追ってご説明できればと思っています。

※農水省調査:平成21年 単身世帯あたりの1人1日あたりの食品使用量 約1,338.8g / 年間平均 約488.7kg
単身世帯における2018年の年平均1か月1人当たりの食料消費支出は、3万7千円 (外食含む)
2017年 1日1人あたりの消費カロリーは1700kal

「食卓から善い暮らしを」100年先に紡ぐべきもの

画像8

「美しい景観が、美味しいものを作る」
ある生産者さんの言葉が私の心に響きました。

日々の暮らしは生産と消費の循環で出来あがっていて、私たち消費者の選択によって、その循環は、好循環にもなるし、悪循環にもなりえます。
その循環は、好循環にもなるし、悪循環にもなりえます。その循環が善い形で廻るように、私たちの価値観や意識も時代と共に少しづつ変化していく必要があるのかもしれません。

「足るを知る」
老子の言葉で「自分たちは何を持っているのかを知ることが真の豊かさである。」という意味ですが、この言葉は不足している事に目を向けるのではなく、今の自分、そして今私たちが持っているものに目を向ける事の大切さを教えてくれています。

そんな立派な人間になれたら問題なんて起こらないと思いますが…人間なのでそうもいかないことの方が多いのも事実。
ですが、未来のために少しでも善い選択ができる大人になりたいと思います。

Nice to earth.
Nice to us.

100年先にも、美味しい「食卓」を残していくこと。
TSUMUGIは、誰もが身近なことから実践できる環境を作り、個々の暮らしをより豊かにするきっかけを作っていきます。
そして、この繋がりが個々の暮らしのライフラインになることも目指していきたいと思っています。

正解は分からないので、トライ&エラーで実験のような形になりますが、取り組んでいきたいと思います。

画像10


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?