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認知症の家族、ぼやきたくなるのも分かる(分かって欲しい………)

金曜日の夜、夫が「首が痛い」と言い出しました。
「寝違えたとか、そんな感じじゃないの?」
と尋ねると、違う、と。
彼は認知症で要介護1。
込み入ったことは、説明するのが困難です。

月曜日になっても、まだ痛いと言う夫。
本人が「大きな病院に行きたい」と言います。
実際、彼自身が自分の症状をうまく説明できないから、
検査設備の整った病院が良さそう………。

予約なしで、大学が運営している(にしては、小規模な)病院に、
予約なしで行きました。
「順番は、予約の方からの診察になります」
と、言われたけれど、ほんと、午前中の最後に回されたようで、
たっぷり待ちました。

やっと診察室に呼ばれ、
「首が痛いそうなんです」と私。
「どのあたりですか?」と医師。
首を触る夫。
先生も触ってみて、
「これは、首じゃなくて、喉ですね」
とのこと。
夫が「首が痛い」と言うから、首だとばかり思っていたけど、
喉?

一応、レントゲンも撮ってくださいました。

レントゲンの結果を聞くために、待合室で待ちます。
しばらく前は、あんなに混雑していたのに、
もう正午も過ぎて、閑散としている。
私たちの他には、車椅子のご高齢の母(推定)と娘(推定)のみでした。

車椅子のお母さんが、
「今日は暑いから、人も少ないわねえ」
のんびりとおっしゃっいました。
娘さんが答えます。
「そうじゃないわよ。
 もう診察時間は終わってるの。
 予約をねじ込んでもらったのよ。
 本当だったら、先生だって、もう帰れるところだったのに」
怒りを含んだ声。
その後もぽろぽろと、娘さんの口からは、
怒りの言葉がこぼれます。

以前の私だったら、
「きつい人だなあ」
と、思ったかもしれない。
けど、今は内心で「ああ、分かる分かる」と、思いました。

相手が全くの他人だったら、腹も立たないでしょう。
けれどそれが家族………かつては頼りになって、しっかりしていて、
話も通じた家族が、頓珍漢なことを言い出す、苛立ち。
そこには、悲しさとか、寂しさなんかも、
含まれているのかも。

ちなみに夫は、レントゲンは異常なし。
改めて耳鼻科を予約し、後日受診したら、
「ああ、これはリンパ節ですね」
と、言われました。
血液検査をしてもらいつつ、首のエコーの予約を入れました。
うーん。



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