木嶋佳苗からモテを学ぶ話
木嶋佳苗被告をご存知だろうか。
結婚詐欺をし相手の男性を殺した容疑で死刑判決が下された女性である。数多の男性を手玉に取りながら、その容姿はお世辞にも綺麗とは言えない点で大きく注目を集めた。
最近では三度目の獄中結婚をし、お相手は週刊新潮のデスクという。
人は見た目が9割と言われる世知辛い世で、どうして彼女はモテるのか。
その秘密を探るために我々は(以下略)
自分の武器を使いこなす
外見はイマイチと言われていた彼女だが、それ以外の点で褒められているところがかなり多かった。字が綺麗、声が綺麗、所作が綺麗、料理上手、話上手、床上手……いや持ち駒が多い〜(千鳥ノブ風)何かひとつが秀でているというより、マルチに完成度が高いようだ。
望んで始めたかお金に困って始めたかは不明だが、ソープで働いていたため、その持ち駒をフルに生かしていたのだろう。
事件のきっかけとなる婚活マッチングサイトでは、ちゃんと自分の声を生かすために通話を提案していたようだし、仲良くなった男性には、自宅で手料理をふるまっていた(料理学校を卒業しているので、腕は本物)
まるで新海誠の『君の名は。』のごとく、自分の持ち駒フルコースで 確実に仕留めにかかっている。恐れ入った。
そして刑務所生活となった現在では手紙でのやりとりが主なため、その美しい字や文章のセンスがまた注目されるというわけだ……
自分が美人でないことをわかっていた
この彼女の武器、生まれながらにして持っていたものもあるが、おそらく努力で身につけたであろうところが多かった。言葉遣いは叶姉妹を真似ていたというし、料理は学校に通って身につけたものだ。
これはたぶん、自分の容姿を客観視できていたからこその努力ではないだろうか。つまり、自分が美人でないことをわかっていた。
風俗や詐欺で生計を立ててきた彼女、人からの見え方を徹底的に研究していたのではないだろうか。自己演出力が圧倒的に高いのだ。
そして彼女のすごいところは、ここで痩せよう!とか整形で佐々木希の顔にしてもらおう!という安易な方向に走らなかったところである。
そもそもそんなにブスじゃない?
彼女と実際に会ったことのある人は、「写真うつりは悪いけど、実際に会うとそんなに悪くない」と言うらしい。
たしかに写真からでも、髪や肌など、身なりに気を遣っているのが感じられる。変な英字がプリントされたTシャツとか着なさそう。そこに品のある所作や言葉遣いが加われば、印象はかなり良いだろう。
選球眼がある
彼女の婚活詐欺のターゲットは、恋に奥手そうな男性だったという。最初っからアンジャッシュの渡部建みたいな男性はターゲットにしていないというわけだ。万人ウケを狙うのではなく、自分が確実に落とせる相手に狙いをしぼっていた。
この感覚は、ガールズバーで働いていると少しわかる。誰からも好かれるキャストより、数は少ないけど熱烈なファンがいるキャストの方が強い。自分を気に入りそうな相手を確実に仕留める方が重要。量より質だ。
残された疑問に対する私の考察
正直ここまでの情報で、彼女がモテる理由はもうおなかいっぱいですってくらい理解した。しかし残された疑問がひとつ。
「どうして彼女は痩せなかったのか?」である。
個人的に、元の顔も悪くないと思うので、痩せるだけで別人級に綺麗になれたのではないかと思う。彼女のように、自分の見せ方にこだわる人間なら、その点を考えないはずはないと思うのだ。
ここからは私の推論だが、「彼女はあえて痩せずにいた」のではと思う。
以前バストアップ用品の広告に使われていた利用者の声で、こんなものがあった。「AカップからDカップになったことで、めちゃめちゃナンパされるようになりました!」私はその広告を見たとき、胸しか見ていない男性にナンパされるのがそんなに嬉しいか?と違和感しかなかった。
私の推論はつまり、木嶋佳苗は世間一般的に良しとされる外見だけを見て寄ってくる男性を排除するために、あえて痩せずにいたのではないだろうか、である。彼女ほどの徹底ぶりなら、ありえなくないと思うのだ。勿論これは私の推測なので、真相はわからない。
単純に食べるのが好きで痩せられなかったとかかもしれないし、デブ専という需要も存在するのだから、痩せる必要がなかっただけかもしれない。
まとめ
彼女のモテテクはまとめるとこうだ。
1.自分の強み、弱みを理解する。
2.強みを自分でつくる。
3.ターゲットをしぼる。
やってることが完全にマーケティングじゃん(笑)詐欺も殺人も決して許されないことだが、彼女は自分の目的を達成するための土台を完璧に仕上げていたし、ブラッシュアップも欠かさない。完全なるプロである。
整形やダイエットがもてはやされる昨今では、凶悪犯といえども 彼女の存在に勇気づけられる女性は多いのではないだろうか。
オマケ:彼女の自叙伝を読んでみた
同居人が木嶋佳苗の自叙伝『礼讃』をブックオフで入手し読み始めたので、私も少しだけ読んでみた。
本によると、彼女は男の人を嫌いになって別れたことは一度もなく、毎回それ以上に好きな相手が現れてしまうらしい。その相手が重複する期間のことを「のりしろ」と呼んでいて、そのセンスがツボだった。
やはりタダモノじゃない。
積極的に経済を回しますので…