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運がいい時に気をつけよって思ったこと

2023年3月21日。春分の日。

最近、私は、運がいい。気がする。

2022年は早々に父が病に伏せ、5月に亡くなった。
しかたがない、しかたがない、
大変だったけど、波瀾万丈で、いい人生を父は送った。
私たちにはたくさんのものを残してくれた、と自分に言い聞かせて過ごしていた。

一方で、著書(『こどもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』絶賛発売中です)も出せて、関連イベントでたくさんの人にもあって、
あちこち出張もさせてもらって、楽しかったはずなんだけど、
なんだか後半は、自分が苦しくて、鬱々と沈んでいた。気がする。

運とか、ご縁とか、どこにも見当たらないような、
自分がとにかく、ダメなんだ、という思考に取り憑かれていったのが
昨年末。

なんとか暮らしを回すための、最低限のことだけやり、
あとはぼんやりしていた。
ぼんやりするたび、自分が失われていくようで、自分が嫌になった。
新しい仕事を生み出すのも、私の仕事なのだけど(ライターです)、
大きなことを考えると、不安で打ちのめされた。

****


でも年が明けて、ぼんやりすることにも飽きてきて、
とにかく少しずつ、自分のしたいことだけして、
好きな人にだけ、そうっと会って、おしゃべりしたり、
映画を見たり、本を読んだりしていたら、
少しずつ、わくわくする気持ちのかけらが湧いてきた。
焦らず慎重に、次にやりたい小さな企画を考えたりしていたら、
春が近づくにつれて、
周りの人から、お声がかかって、
自分がやりたいなと思っていたことや、
自分がまさかやるとは思ってもなかったことが
近づいてきた。

どうやら運が上がってきた。気がする。

こういうのって嬉しい反面、ドキドキ、する(しませんか?)。
運がいいような時、調子に乗ってたら、落とし穴に落ちそうな。
人生に波があるのは、もう40数年間の間に痛いほどわかっているから、
運がいい時にちょっと身構えてしまう。

でも、それって、勿体無いことだな、と思う。

巡ってきた運が私を、きんとうんのように今より遠くに運んでくれるなら、
行けるところまで行かないと、
天下一武道会には一生たどり着けない、じゃない?

「運がいい」って、結局、周りの人からの助けがあるってこと。
だったら、それを大事にいただいて、
自分の力を使ってできるところまで、進めていかないと、ダメじゃない?

それがまた巡り巡って、誰かの運になるのかもしれない、じゃない?と。

だから、運がいいな、と思うときは、覚悟を決めて。
預かった運に感謝をして、
できるだけ地味で、苦しい、しんどいことを、コツコツと
やって、次の人に届けていくしかないんだ、と。
運がいい時ほど、文句を言わず、周りにできるだけ優しく、
自分を信じてやる(何をか。目の前にある何かを)しかない。

そうして自分の運を回し切ったら、
またその運は、きんとうんになって、誰かのところに飛んでいって、
その人の力で、もっと遠くへ飛んでいく。はず。

そんなふうに思って、今日も私は、
家事をして、仕事をして、自分のために文章を書いて、
子どもたちとあれこれ話をする。

そう、だから、結局は、
運のいい日も悪い日も、
私は日常を大事にする。




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