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「ザ・コミットメンツ」アラン・パーカー監督1991年作品


 アイルランド映画祭2023で久しぶりに「ザ・コミットメンツ」を観てきました。
上映後はピーターバラカンさんのトーク・ショーもありました。
30年近く前、ビデオで観た映画でしたが、ピーター・ガブリエルが音楽担当した「バーディー」の監督アラン・パーカーの作品というのがきっかけでした。
 アイルランドの首都ダブリン北部に住む労働者階級の若者が当時流行のニュー・ウエーブやヘビー・メタルやはたまたアイリッシュ・トラットではなく、ソウル・ミュージックのバンドを組む話。マネージャーとしてバンド結成からデビューまでを引っ張るジミーの言葉「俺たちはヨーロッパの黒人」という言葉が、アイルランドの欧州での立ち位置そしてアフリカから連れてこられた黒人同様、移民として虐げられながらも、アメリカ社会の底辺を支えたアイルランド人(ポーグスの「ニューヨークの夢(Fairytale of New York)」でも描かれ、現に9.11.で亡くなった消防士の中でアイルランド系が一番多かったらしい)とアメリカ南部黒人のソウル・ミュージックを一瞬にして繋げ、そのあとは個性豊かな若者が、罵りあい大喧嘩をしながら、ステージでは、一体となって彼らの「ソウル・ミュージック」を大迫力で奏でます。
カバーされた曲もウィルソン・ピケットの「ムスタング・サリー」、アル・グリーンの「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー」、アン・ピーブルズの「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」、ジェイムス・カーの「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」、クラレンス・カーターの「スリップ・アウェイ」など 南部のソウルの名曲ばかり。
 僕は、恥ずかしながら、当時まだ僕は白人音楽が中心で聴いていたので、いまでも大好きなソウル曲の多くは、この映画で初めて知りました。
このアイルランド映画祭のためにリマスターされたとのことで、音も良く、何度でも見たくなる妖精の国から来た青春音楽映画の傑作。


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